韓国大統領特別補佐官「中国の『三不』原則は常識的な主張」(朝鮮日報)
いわゆる「三不」を約束し、物議を醸していることと関連、文正仁(ムン・ジョンイン)大統領特別補佐官(統一・外交・安保担当)が「私が考えるに、『三不』原則は常識的な主張だ。中国が言う『3つのノー(NO)』は、私が考えるに快く受け入れられるものだ」と語った。

 文正仁補佐官は8日、ミン・ビョンドゥ議員=共に民主党=が司会・進行するポッドキャスト『ミン・ビョンドゥの文民時代』に出演、「米国に背く中国との交渉があったとは思わない」と述べた。

 文正仁補佐官は「韓国と日本が相互防衛条約を結ぶには、日本も正規軍と交戦権のある正常国家として行くべきだが、平和憲法により現実的には難しい。韓国が韓日同盟を結ぼうと言えば、日本は好材料だと見るだろう」と語った。また、「米国が持つTHAAD砲台は7基で、韓国に追加配備するのは難しい。米国のMDに参加しないという見解は過去の政権から続いてきた」と説明した。
(引用ここまで)

 この見解は面白い。
 三不は大統領特別補佐官であるムン・ジョンインが主導したことなのかどうかは不明ですが、ムン・ジェイン政権の外交的メンターであることから、その影響は少なからずあるのでしょう。
 ムン・ジェイン政権が外交面でなんらかの動きを起こすと、それに対してムン・ジョンインが裏拍を取るようにしてフォローしていく。

 逆にいえばムン・ジェインの行動に秘められている本音をムン・ジョンインが暴露していく。
 裏や影で動くのではなく、表だって「この行動はこういう意味ですよー」って語る。
 漫才のボケとツッコミのように。
 今回であれば「中国の言っていることは当たり前のこと」(だから韓国がそれを受け入れるのも当然)と胸の内を暴露する。
 まあ、ウオッチャーの立場からしてみると分かりやすくてありがたいのですけどね。

 そういえば、今回の米韓首脳会談では持論である「北朝鮮の核凍結と米韓軍事演習を取引材料にしよう」という提案は行われなかった模様。
 さすがに三不の上にこれはできなかったか。
 というか、首脳会談自体が10分で終わっているから、そんな提言なんかできるわけもないというのが実際ですかね。
 さらに、「バランス外交は実は中庸外交で、中庸外交はあらゆる外交の根本だ。どちらかの側に偏りすぎれば、いわゆる隷属・従属・依存関係が生じ、そうなれば外交的に身動きが取れなくなる可能性ができる」と指摘した。

 そして、「韓米関係は同盟であり、韓中関係は戦略的パートナーであるため、それに合わせて行けば良い。韓米同盟は非常に重要だが、それにすべてを賭けたら、そこで支障が生じた時どこに行けばいいのか。だからヘッジング(hedging=リスク回避)しなければならない」と主張した。

 その上で、「保険をかけるという意味からも、すべての国との関係を維持し、身動きができるようにし、外交的なすそ野を広げる必要がある。行き過ぎを避けるためにバランスという表現を使うことも可能だが、むしろ『中庸外交』と言った方が良かっただろう」と指摘した。
(引用ここまで)

 ついで、「三不はバランス外交の上に成り立ったものだ」という持論を展開しているのですが。
 これも味わい深いというか……。
 そうやって「中庸」だか「バランサー」だかを目指して動くのは構わないけど、それをそれぞれの相手国がどのように受け取るかは別ってことが理解できていないのがすごい。

 「どちらかに偏れば外交的に身動きができなくなる」って、いまの「中庸外交」を標榜している韓国が身動きできているつもりなんだ。
 スイスのような覚悟もなく、ただいいとこ取りだけしようとする外交を他国は「中庸」とは見てくれないよっていうのは、ノ・ムヒョンのバランサー外交の頃から延々と語られていることなのですけどね。
 残り4年半のムン・ジェインによる外交が暗澹たるものになるであろうことは、このていどの人物を外交・安保特別補佐官として就任させていることからも容易に想像がつきますわ。

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2014/5/16