「労働輸出」ふさがった北朝鮮、中露派遣労働者17万人に帰還令(中央日報)
北朝鮮当局が中国・ロシアで働いている労働者およそ17万人に対し、今年末までに本国に帰還するよう指示を出したと、日本の朝日新聞が対北朝鮮消息筋を引用して11日報じた。中国・ロシアが北朝鮮労働者を受け入れない方針を明らかにしたためであり、今回の措置で北朝鮮の外貨稼ぎが大きく委縮するという見方が出ている。

同紙によると、北朝鮮は中国に縫製工や飲食店従業員など約12万人、ロシアには伐木労務者など約5万人の労働者を派遣していると、消息筋は伝えた。中国からは共同投資した中国側パートナーの状況を勘案し、約8万人を年末までに帰還させ、残りは来年中に呼び戻す計画だ。ロシア派遣労働者はほとんどが年内に帰国することになる。

北朝鮮は海外労働者の輸出で年間約2億3000万ドル(約260億円)相当の外貨を獲得しているという。ロシアでは平均月給が600ドル、中国では400−500ドル程度だが、北朝鮮政権に納める忠誠資金などを除けば労働者の手に残るのは100ドルほどにすぎない。

国連安全保障理事会は9月、北朝鮮労働者に新規労働許可証の発行を禁止する内容の対北朝鮮決議2375号を通過させた。すでに中国政府は国連安保理決議日から120日以内に北朝鮮の企業・個人が中国で設立した企業を閉鎖するよう指示した。国境地帯の丹東などでは北朝鮮労働者を雇用している縫製工場などが影響を受けているという。

中東や欧州で北朝鮮労働者を受け入れる拠点だったクウェートやポーランド・マルタなども労働者ビザの延長と新規発行を中断する方針を決めたという。
(引用ここまで)

 以前にも中国で北朝鮮レストランの閉鎖が相次ぎ、さらに北朝鮮労働者のビザ延長を認めない、銀行口座開設もさせないという方針が出ていましたね。
 中国が北朝鮮の労働者派遣を切ったというのはかなり驚きだったのですが、さらにロシアも同様の措置を執ったと。
 記事にあるように9月の国連制裁措置によるものなのですが、これによって年内で北朝鮮労働者を撤退させなければいけない状況になっています。

 労働力っていうのは本当に儲かるものでして。
 オウムが信者をさまざまな店で無給で働かせていたことが例に挙げられると思います。人件費をカットすることができれば収益って驚くほど上がるのですよ。普通の企業や国ではそれはできませんが、北朝鮮なら可能です。
 純益という面で見れば、資源輸出より儲かっていたんじゃないでしょうかね。

 これまで最大の外貨獲得手段であった労働者派遣をばっさりと切ったことで、逆に外貨獲得がアンダーグラウンド化するのではないかとも言われてます。
 そして、ここでもやっぱり問題になるのは瀋陽軍区。
 旧満州の人種のるつぼで、こっそりやられても誰も気がつかない。あるいは気がつかないふりをする。
 中国の地方行政は上が許してしまえばなんだってありですから。

 さらには開発してきたミサイル、そして核の輸出もあるのではないかともされています。
 外貨獲得のためにテロリストに核を「輸出」するのではないか。
 去年8月、北朝鮮からエジプトへの携行式ロケット弾輸出を水際で止めていたことが判明しています。
 こういった武器輸出、密輸がエスカレートする可能性が取り沙汰されているのです。
 欧米がもっとも怖れるシチュエーションがこれ。テロリストに核が渡る可能性が、若干ですが増えたのではないかな、と。

 だからといって公式ルートを締め上げないわけにもいかず。
 難しいところだなぁ……。

独裁国家・北朝鮮の実像 核・ミサイル・金正恩体制
坂井 隆 / 平岩 俊司
朝日新聞出版
2017/1/20