【コラム】韓国は中国がそんなに怖いのか(中央日報)
中国のTHAAD報復を収拾する過程で、韓国政府は▼THAADの追加配備▼米国ミサイル防衛(MD)システムへの参加▼韓日米軍事同盟への発展−−はないという「3No」の立場を明らかにした。しかし合意文のどこにもTHAAD配備が北朝鮮の核に対応するための主権的措置という立場はなかった。中国の謝罪や遺憾の表示もなかった。何よりも中国の一方的な経済報復に対して世界保健機関(WHO)に提訴しなかった点は黙過できない問題だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権として北核と平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)に対する中国の協力を受けなければいけないという現実的な制約があったはずだ。

しかし韓国はもう押せば引く容易な国になった。ソウル大法学専門大学院のイ・ジェミン教授は「致命的な攻撃を受けて13兆−20兆ウォンと推定される被害が生じたが、韓国の公式的な対応がなく、他国は納得しがたいと考えている」と述べた。このままだと中国は容易に第2、第3のTHAAD報復ができる。明白に国益に反する。

2カ月前に訪韓したカレル・デフフト元EU委員(貿易担当)は「中国は厳しく扱わなければいけない」と述べた。米下院は3月、異例にも韓国に対する中国の通商報復行為を非難する決議案を提出した。各国メディアも中国を批判している。我々が中国をWTOに提訴していれば通商分野で「世紀の法廷」が開かれただろう。ここで「グローバル化は元に戻せない歴史的な流れ」として自由貿易の守護者を自負する習近平主席の面目を失わせる機会が得られたはずだ。米国内のコリアパッシングの雰囲気も弱まったかもしれない。 (中略)

先日、世界最古の出版社ケンブリッジ大出版部が発行する学術誌『チャイナ・クオータリー』のウェブサイトから論文およそ300件が中国の要請で削除され、3日後に復元された。天安門事態、文化大革命など中国が嫌うテーマの論文だった。このように欧州の学問の自由を脅かすほど中国の力は強まった。中国と国境を接する国々は領土紛争のため安心できる日がない。韓国のWTO提訴放棄は暴走する中国に翼を与えたのと同じだ。

17年前、金正日総書記は「血盟」中国ではなく米国と友人になることが利益だと述べた。その理由をもう我々もTHAAD報復を経験しながらはっきり知った。均衡外交もよいが、遠くにいる誠意のあ在る強い友人と親しくなる同盟外交が優先だ。そのためには戦略的協力パートナーシップである中国にも言うべきことは言わなければならない。そうしてこそ同盟国の支持を受け、主権とプライドを守ることができる。
(引用ここまで)

 記事中の「世界保健機関(WHO)」は原文ママ。
 WTOのことと思われます。

 保守系紙の中央日報、朝鮮日報は必死になって「主権を取り戻せ!」「中国に反論できるようになれ!」と叫んでいるのですが。
 そして「そこまで中国が怖いのか」と嘆いているのですが。
 そりゃあ怖いのでしょうよ。
 2000年に渡って締め上げられてきたわけですから。
 おまえらの領土はいらんが貢ぎ物は出せ、っていうように。
 20世紀に限っては前半は日本、後半はアメリカと宗主国が変わっていたのですが、歴史的に見てもこの100年前後が異常だったというだけで。

 灰は灰に。塵は塵に。
 韓国は中国に。
 アメリカがどれほど圧力をかけてもその回帰は止まらないし、止めようがない。
 もう遺伝子レベルで刷りこまれた恐怖感、言葉を換えて言うのならハンチントンが主張するところの「文明の衝突」が起きゆく中で組み入れられるべき陣営に組み込まれている中途なのです。

 以前も語ったように日米韓の三国同盟というのは、地政学的に見れば対中国包囲網としてほぼ100点の組み合わせ。
 なのでアメリカもそう簡単に諦めることはないと思うのですが。
 でもまあ、もう現実として無理ですよね。「三不の誓い」はそこまでのインパクトがあった出来事だったのですよ。

中国が『中国4.0』として、その野望を隠さなくなってきたということでもあるのだな。
中国4.0 暴発する中華帝国 (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2016/3/18