【コラム】中国の要求で3日間隠した通貨スワップ合意(朝鮮日報)
 「中国側からは発表しないでほしいという要求があった」

 異例なことにはそれなりの理由があるものだ。韓中通貨スワップ協定の話だ。期限を迎えた10月10日に延長交渉が合意に至ったが、韓国企画財政部(省に相当)と韓国銀行は3日後の13日になってはじめて国民に明らかにした。最近政府関係者に裏で何があったのかを聞いた。

 「中国がスワップを延長してやるから発表はしないでほしいと言ってきた。どうしろというのか。対応に苦慮した末、すぐには発表せず、時間を置いた上で、記者団の質問に答える形で公表することで調整した。韓国側も苦労した」 (中略)

 韓国政府関係者は「必ず実現させなければならなかった。中国人民銀行は政経分離原則という我々の主張に同意したが、THAAD問題での対立が起きていたため、スワップ延長に難色を示した。人民銀を助ける意味ですぐには発表しないことにっした。韓国側が配慮したと考えてもらってよい」と説明した。「発表をどうするかよりも、実益を確保することが重要ではないか」とも話した。確かにそうかもしれない。韓銀職員は今回のスワップ延長に向け、本当に努力したという。

 それでもすっきりしない。経済交渉というものは本来そういうもので、何とか期限延長に成功したことは褒められるべきであり、3日程度の遅れは構わないと考えたとすれば困る。中国との通貨スワップが延長されるならば、政府が思い通りに国民の目と耳をだましてもよいと思ったとすれば困ったことだ。企画財政部と韓銀が勝手にやったことで、大統領府(青瓦台)は知らなかったとでもいうのだろうか。

 もう一点指摘すべきだ。中国との関係に良からぬ前例を残したことだ。一見通貨スワップで利益を得て、功績を上げたように見えるが、「韓国は屈する国だ」という認識を中国に与えたことは誤りだ。たとえスワップが途絶えても、こんな低姿勢の交渉をすべきではないとの声が上がる。人民元の国際化を目指す中国は韓国との通貨スワップをそう簡単に放棄しなかったのではないかとの見方もある。

 中国は大国であり、韓国はそれにはかなわない。次の交渉からどれほど頭を下げなければならないのか心配だ。頭を下げた次にはひざまずかなければならないかもしれない。最近読んだ本にこんな一節があった。「外交とは対等な立場で相手に対する信義と自身に対するプライドがなければ成り立たない」という言葉だ。
(引用ここまで)

 中韓通貨スワップ協定は10月10日に満期を迎えて一端消滅
 でも中韓間で合意はしていて翌日には復活。形式的には新たな協定ではあるのだけども、実質的には延長であったようなもの。
 だけども、11日には復活したというアナウンスはしなかった。
 13日になって韓国銀行総裁が記者との囲み取材で発表したのみ。
 中国政府、中国人民銀行からの発表はなし。

 当時から「なんでこんなことになってるんだろう」と不思議がられていた発表でしたが、その裏話が出てきました。
 通貨スワップ協定は「危機の際、相互に通貨を貸し与える」という協定であるにも関わらず、韓国側は中国側の言い分を100丸呑みして発表を3日遅らせていたと。

 楽韓Webでは「なんらかの措置を加えた上で継続するであろう」と予測していましたが、けっこう当たっていたと言っていいのではないでしょうか。
 韓国を手なずけるための手段の一環として、一端終わらせた。
 そして延長したけども、中国からは発表しないことでこの通貨スワップ協定が実質的には片務的なものであることをアナウンスしている。

 勧銀からの発表当時にも書きましたが、やっぱり中国は政治的な流れを掴むことでははるかに上手。
 これにつなげる形でTHAAD問題に三不を誓わせて、韓国に手下としての位置を確定させたわけです。
 実質的には新たな負担ゼロで。
 しかも、中国の場合は通貨危機を迎えたとしても本当に人民元を出してくれるかどうかすら分からない
 それなのに冊封体制は完全に確定している。

 この状況なのに外交部長官は外交素人で王毅になにも言えなかったカン・ギョンファなんてところも、危機の中にあえて無能を選択する韓国らしい人事です。
 来月のムン・ジェインによる朝貢も楽しみになってきましたわ。中韓首脳会談のスケジュールが16日になったりしたら大笑いなのですけどね。

スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ (文春e-book)
中村竜太郎
文藝春秋
2016/9/28