北ミサイル:文大統領、「米国の先制攻撃」に初の懸念表明(朝鮮日報)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は29日、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射について、「絶対に座視しない」と述べる一方、「北朝鮮の誤判断」と「米国の先制攻撃」に同時に懸念を表明した。また、北朝鮮のミサイルをICBMだと断定した米日とは異なり、韓国政府は「ICBM級」「長距離弾道ミサイル」というあいまいな表現を使った。

 米日は同日、北朝鮮のミサイルを「米本土を攻撃可能なICBM」と位置づけた。

 マティス米国防長官はホワイトハウスで記者団に対し、「北朝鮮がICBMを発射した。過去に発射したミサイルよりも高く上昇した」と述べた。ホワイトハウスはトランプ大統領と日本の安倍晋三首相が行った緊急電話会談の写真を公表した際にも「北朝鮮のICBM発射」に関連したものだと説明した。

 一方、文大統領は同日午前6時に開いた国家安全保障会議(NSC)全体会議で「大陸を飛び越える北朝鮮の弾道ミサイルが完成したとすれば、状況が手の施しようもなく悪化しかねない」と述べた。韓国大統領府(青瓦台)と国防部当局者も「ICBM級」「長距離弾道ミサイル」という用語を使った。大統領府のユン・ヨンチャン国民疎通首席秘書官は同日夕、韓日首脳の電話会談に触れ、「北朝鮮のICBM級ミサイル発射」と表現した。ICBMと断言せず、あくまで「ICBM級」だと言った。(中略)北朝鮮がICBMを完成したと言ってしまえば、韓国政府の「外交的方法を通じた北朝鮮核問題解決」が壁にぶつかるためだ。

 文大統領は今年8月、軍事的解決段階に進まざるを得ない状況である「レッドライン」について、「北朝鮮がICBMを完成させ、そこに核弾頭を搭載し兵器化することだ」と答えた。北朝鮮のミサイルがICBMならば、レッドライン問題が浮上し、対応手段が違ってくる。このため、文大統領と韓国政府は「北朝鮮の弾道ミサイルが完成したならば」という仮定法で評価を留保したとみられる。
(引用ここまで)

 THAADの「封印」と同じですね。
 ICBMと言ってしまうと、かつて自分が述べたレッドラインに触れてしまうので「ICBM級」としか言わない。
 「他国がなにをどう言おうとも、我々がICBMではないと認識している以上、ICBMではない」と言い続ける。
 言葉遊びの世界です。

 楽韓Webではムン・ジェインの政治的指向性は北朝鮮シンパであるという話を何度もしています。
 なのでなんとしてでも制裁の輪に入りたくないのです。
 なにしろ、世界が北朝鮮への圧力で一致した流れを作ろうとしていた7月の段階でも開城工業団地を再開しようとしていた人物ですよ。
 その2週間前には「北朝鮮の核とミサイル開発はブラフで、本心では対話を求めている」とか言っていた人物ですからね。
 そりゃ、ウォールストリートジャーナルからも「韓国人は信頼できない友人だ」と認定されるでしょ。

 パク・クネの弾劾、罷免の流れによってムン・ジェインに大きく流れが傾いたものの、本来だったら大統領にすべき人物ではなかったと思っています。これはいまでも。
 ノ・ムヒョンも同様に流れで圧倒的不利な立場からあれよあれよと大統領になってしまったというパターンでしたね。有力候補の中で支持率4%ほどの泡沫候補者でした。
 ノ・ムヒョン政権は笑われながら見られていたものですが、人気の最後にはなにかをやるのではないかと冷や冷やしながら見ていた部分があります。
 唐突に「北朝鮮との連邦制を今日からはじめる」とか言い出してもおかしくない人物でしたからね。

 ムン・ジェインはそのノ・ムヒョンの信奉者であり、後継者なのです。
 「愛嬌のないノ・ムヒョン」ですから。
 しかもやっていることはノ・ムヒョンがやってきた政策を拡大したものばかり。ちっともバランスの取ることのできない「バランサー外交」なんかはもうまんま後継者。

 たとえアメリカが開戦を決意したとしても、「信頼できない友人」であるムン・ジェインに事前通告するかどうかは怪しいものだと感じます。
 空爆数分前であっても「事前通知」であることには変わりはないですしね。これも言葉遊びですが。

論より詭弁〜反論理的思考のすすめ〜 (光文社新書)
香西 秀信
光文社
2007/2/20