「北に先制核攻撃も辞さず」と言明した米国務省(日経ビジネスオンライン)
鈴置:国務省のアダムス(Katina Adams)報道官(東アジア太平洋担当)が12月5日、以下のように語りました。
・トランプ(Donald Trump)大統領が優先順位の最上位に置くのは米国の本土と準州、そして同盟国を北朝鮮の攻撃から守ることだ。
・米国は通常兵器と核兵器のありとあらゆる能力を動員し、同盟国である韓国と日本を防衛するとの約束を完全に履行する。

(中略)
 米政府が「核も使って先制攻撃する」と言明したのは初めてです。9月19日の国連演説でトランプ大統領が「totally destroy」(完全に破壊する)と核の使用を示唆したことはありました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

 が、「核」という言葉を使って北朝鮮を脅したことは、私の知る限りありません。
(引用ここまで)

 1ページ目のVOAについては初見のニュースでした。
 「アメリカ本土や同盟国を守るためには通常兵器も核兵器も(our conventional and nuclear capabilities)使うことを辞さない」という宣言は重いですね。
 以前は「ついにアメリカ政府の人間が『すべてのオプションがテーブルの上』ではなく、『軍事的』(Military)という単語を使った!」とかなんとか言っていたものでしたが。
 いま語られているのは空爆になんらかのオプションを加えた「限定的戦争」か、それとも陸軍投入を含めた「全面戦争」であるかのどちらかということですからね。

 国連は事務次長を北朝鮮に送り込んでいます。
 そもそも、核開発もミサイル開発も国連安保理決議違反。
 対イラク開戦もこうやってプロセスを経てから攻撃が決定されたものです。世界に対してエクスキューズをしているのですよね。

 「我々は平和を追求し、戦争以外のオプションを可能なかぎり探った。しかし、彼らは愚かにもそれを拒否したのだ」 

 ……という建前が必要なのです。
 もう一度、安保理での決議が必要かなぁ……あるいは先月末のICBMでもう世界はこれ以上の建前を必要としなくなったか。
 現状はそういう段階であると思って間違いないでしょう。

 うちも含めて開戦であると言っている人間は、それ関連の資料しか集めない傾向にあります。自分でも気をつけていますが、色眼鏡というものはなかなか取れないものです。
 ただ、さすがにムン・ジェインの「先制攻撃を容認しない」という言葉よりも、「もう残された時間はそれほどない。在韓米軍の家族は帰国させるべき」という言葉のほうに重きを置くのは現実的じゃないでしょうか。

 しかし、「同盟国を守るためなら核兵器の使用も辞さない」ですよ。
 こうでなければ、同盟国とは言えません。……まあ、三不の誓いを立ててしまうようなところは、もはや同盟国なのかどうなのかすら不明ですけどね。