【コラム】中国CCTVの無礼、これが「親誠恵容」なのか(朝鮮日報)
 11日夜に中国国営中央テレビ(CCTV)は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との単独インタビューの内容を編集した22分40秒の番組「環球視線(グローバル・ウォッチ)」を放送した。見ていて終始混乱を覚えた。他国の大統領をインタビューしておいて、「中国側が抱く安全保障上の利益侵害に対する懸念を解消するため、韓国側がどんな措置を取るのか」と執拗(しつよう)に責め立てる中国人キャスターの無礼さに怒るべきか、それとも大統領が「今後も終末高高度防衛ミサイル(THAAD)が中国の安全保障上の利益を侵害することがないよう、韓国は格別に留意していく」と答えざるを得ない韓国の立場に悲哀を感じるべきか、判断が難しかった。 (中略)

中国人キャスターは「今後THAAD問題に関連し、どんな努力が必要だと考えるか」「中国の懸念を解消するため、どんな措置を取るのか」とTHAAD関連の質問を繰り返した。文大統領は「時間を置きながら解決していく知恵が必要だ。(懸念がないよう)格別に留意していく」と答えた。

 中国人キャスターがこのあたりで質問をやめていれば、中国の無礼に対する「怒り」よりも韓国の立場に対する「悲哀」を感じたはずだ。THAAD配備という安全保障主権上の決定をめぐり、何か不当なことでもしたかのように中国の追及を受けるというのは、韓国が自ら招いた側面もあるからだ。しかし、中国人キャスターがそれで質問をやめることはなかった。「3つのノー」を列挙した上で、3つ目の質問を投げかけた。

 「CCTVを見ている数億人の視聴者に韓国政府の立場、そしてどのような方向へと努力していくかを具体的に話してほしい」

 文大統領に「3つのノー」で誓いを求めた格好だ。「それ(3つのノー)は決して新たな立場ではない」という文大統領の回答はCCTVの編集過程でカットされた。代わりにナレーションで、「両国関係の未来方向は韓国側が関連する『約束』をしっかり順守するかどうかにかかっている」と主張した。 (中略)

他国の大統領を国賓として招いておいて、国営放送でTHAAD問題について締め上げることが本当に「親誠恵容」なのかと問いかけざるを得ない。
(引用ここまで)
 そもそも三不を誓わなくちゃいけないというのは「国家の悲哀」なのかどうか、ですよね。
 本当に悲哀を感じるべき立場なのか。好んでそこに自分の立場を持っていったんじゃないのっていう。
 中国は延々と「THAADミサイルを配備したら中韓関係は終わる」と宣言していたのですよ。
 中国大使は「配備が決定したら一瞬で中韓関係は破壊される」と言っていたし、長らく中韓関係において最優先課題として語られてきた。
 訪韓した武大偉が1日に3回も韓国政府に対して「中国はTHAAD配備に反対だ」と述べたことがありましたね。

 配備を決めたのはパク・クネ政権時代ですが、だからこそその政権を打倒して成立したムン・ジェイン政権は戦略的にあいまいさをもっと発揮してよかった。
 当初は「1基だけ配備する約束だった」だの「1年から2年、環境アセスメントで費やす」だのなんだの言っていて、任期一杯まで延期する気満々だったのに北朝鮮のICBM試射でびびって6基のフル装備をアメリカに依頼してしまったのは大きなミスでしたね。
 将来的に戦時統制権移譲から在韓米軍の撤退まで狙っているのだから、あそこでアメリカに借りを作るのは意味がなかった。おまけに中国にもつけいる隙を見せてしまった。

 2基の配備のままでのらりくらりとしていればよかったのに、ごたごたしてから6基のフル配備にするくらいなら、最初から「北朝鮮に対抗するにはこれしかない」と宣言して配備してしまえばよかったのです。やっていることが本当に中途半端。
 政治家に向いてない。

 その一方で中国は基本的に「こうする」と言ったことは実行するのです。
 朝鮮戦争でも「もし国連軍が中朝国境にまで近づいてくるようであれば人民軍は確実に参戦する」と述べていました。仁川上陸作戦から逆転して連戦連勝を重ねたアメリカはそれをブラフだと思って北進したのですが、その後の中国参戦による泥沼化はご存じの通り。

 つまり、「THAAD配備によって中韓関係は一度破壊された」という視点を持てば「三不の誓い」は当然あり得る措置だといえるのです。
 カノッサの屈辱でハインリヒ4世は破門され、雪の中で3日間裸足で破門の解除を願ったように、ムン・ジェインも「三不の誓い」を立てて許しを請うたわけですね。
 まだ許しを得ているかどうか、習近平の真意は分かりませんが。
 それでも、明らかな「国賓軽視」の態度を見れば「三不を常に身につけ、実行されてこそ意味がある」という警告がされているということなのでしょう。
 これからは韓国に中国の使者が来る度に三跪九叩頭してお迎えするのでしょうね。