【コラム】文在寅外交には「狡猾さ」が必要だ(朝鮮日報)
【コラム】中国政府の非道と文大領支持者の盲目(朝鮮日報)
 リー元首相の著書が出た2015年は、韓国の外交環境も激変した時期だった。その年の9月、当時の朴槿恵(パク・クンへ)大統領は西側諸国の首脳としては唯一、天安門の上で中国の戦勝節の軍事パレードを見守った。その副作用として、米国の朝野で韓国の中国傾斜論が持ち上がると、翌月には全く異なる場面が演出された。朴大統領が米国防総省を訪れ、戦争指揮を取る戦時状況室に当たるペンタゴンの「タンクルーム」で米軍のブリーフィングを受けた。韓米同盟は堅固だというメッセージを強く発信する必要があったのだ。当時ペンタゴンの高官は、朴大統領に韓日関係の復元を真剣に要請したという。米国としては、韓米日の軍事協力を本格化させなければならないのに、韓日が過去史問題で争っていてよいはずがなかった。

 そして2カ月後、慰安婦合意が妥結した。朴槿恵政権の大統領府は、安倍首相の謝罪、日本政府の資金10億円の拠出が最善の結果だと判断したが、「最終的、不可逆的」という合意内容に非難が殺到した。中国も、韓日関係の正常化が気に入らなかったのだろう。その隙間に北朝鮮が割り込んだ。北朝鮮は16年の新年早々、4回目の核実験を敢行した。中国が北朝鮮制裁をぐずっている間に、北朝鮮が長距離ミサイル「光明星4号」まで発射すると、韓米は高高度防衛ミサイル(THAAD)配備合意を公にした。北朝鮮とTHAADがからみ始めた。 (中略)

 米国は、北朝鮮のミサイルの脅威を前にして、韓米日のミサイル協力は当然の帰結だと考えている。米国は、海上自衛隊のイージス艦が持つ北朝鮮ミサイルの撃墜能力は、韓国海軍よりはるかに高いと評価している。対潜部隊の作戦能力も同様だ。米国の政府関係者は「韓米日の三角訓練が、韓国としては最もスマートな選択」と言う。もちろん、中国の思惑は正反対だろう。韓国をめぐり、THAAD追加配備、米国MDへの参加、韓米日軍事同盟だけは防ぎたいと考えている。それを中国側が「韓国の約束」に仕立て上げたのが「三不」だ。この2国の間で、韓国はどうすべきか。

 習近平国家主席と会って韓国に戻ってきた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「(前政権から)受け継いだ外交の空白を埋め、壊れていた関係を復元した」と自己評価した。だがブレーン陣はもっと大げさだった。大統領府の高官は、訪中の結果を「100点満点で120点」と言い、外交部(省に相当)の長官は「90点あげたい」と言った。これでは自己陶酔ではないか。世間には「内政は誠実、外交は狡猾(こうかつ)にやるべきなのに、反対方向に行っている」と心配する人が少なくない。
(引用ここまで)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪中行事を取材していた韓国人記者が14日、中国公安の指揮を受ける警備会社社員から集団暴行を受けた。中国外務省報道官は「もし誰かが負傷したなら、当然関心を示す」と述べた。15日には「匿名」の中国当局者が韓国外交部(省に相当)に「事件の経緯とは関係なく心からいたわりの気持ちを表する」とした。「謝罪」はおろか「遺憾」の表明もまだない。(中略)

 記者暴行事件直後、韓国大統領府関係者は記者団の所に来て「(この事件の)報道を少し遅らせてくれ」と頼んだ。文在寅大統領の訪中成果が今回の事件で目立たなくなってしまうことを懸念したのだ。この関係者は「暴行についてはその当事者間の問題のように見える」とも言った。 (中略)

 暴行された記者が眼窩骨折や眼球出血などで治療を受けていた同じ時刻、一部の熱狂的な文在寅大領支持者たちがインターネット上に「キレギ」(日本語で言えばマスゴミ、記者とゴミを表す韓国語の略語)を非難する文章をインターネットに載せ始めた。「キレギ2匹が中国でトラブった」「キレギは文在寅政権の外交をつぶそうとしているようだ」などの書き込みが相次いだ。

 熱狂的な文在寅大領支持者たちは5日、与野党が来年度予算案に合意・可決すると、共に民主党の禹元植(ウ・ウォンシク)院内代表を「無能者」「野党のスパイ」と攻撃した。禹元植院内代表を手伝い、実務交渉をした朴洪根(パク・ホングン)院内首席副代表が「(書き込みによるバッシングは)大統領を助けることにはならない」と発言してさらにネットでたたかれた。 (中略)

 中国とは違い、韓国は普遍的人権を保障する国だ。ところが、盲目で熱狂的な文在寅大領支持者がその常識を覆して暴行された記者を非難した。それを見る中国人は何を思うだろうか。
(引用ここまで・太字引用者)

 朝鮮日報をはじめとした保守系メディアはムン・ジェインの外交、内政の危険性をこれでもかっていうくらいに喧伝しています。
 まあ、左派に対抗することが保守系メディアとしては当然の行動という部分はありますが。
 それを割り引いたとしてもムン・ジェインの政策はわけがわからないのは事実。
 さらにその周囲が「大統領の威光」を輝かせようとしてやっている行動も意味不明。太字部分の「暴行報道を遅らせてくれ」とかなに言ってんだかって話です。リアルに中国の狗。

 で、暴行事件に対して韓国ネチズンは「マスゴミが殴られたと大げさに報道してムン・ジェイン外交を邪魔しようとしている」だの言い出している。
 実際問題、就任から7ヶ月を経過しているにもかかわらず、そしてあれほどまでにみじめな訪中であったにも関わらず、支持率は68.7%と異常なまでの高さ。
 21世紀になってから就任した韓国の大統領の中では、最高値を保ち続けています。まあ、おそらく大統領が1期5年制の現行制度になってからでも過去最高のような気はするのですが。
 韓国人が「騙されている」のか。
 それとも韓国人が「自らを騙している」のか。

 この7ヶ月でやってきたことを見れば、だいたい韓国の4年5ヶ月後の姿ってどうなるか分かりそうなものですけどね。
 まさか「正規職ばかりで非正規職がなくなり」、「公務員は81万人も増えて」、「最低賃金1万ウォン」とかの夢を描いているとかないよなぁ……。
 どう考えても「職にありつけた人間はそれなりに暮らせるけどそれ以外は絶望」っていう二極化が極端に進んで欧州の下のほうと同じ状況になる未来しか見えないのですが。
 韓国人(や日本人の一部)は「日本はアルゼンチン化する!」って何年も前から唱えていますが、韓国のスペイン化とかギリシャ化のほうがよほど現実味があります。

 「外交には狡猾さが必要」っていうよりなにより、まず政治家としての資質を根本的に問うべき時が来ているとしか見えません。
 でも、このまま高支持率のままで弾劾がなければ、韓国は有無を言わさずに残り4年5ヶ月をこの政権下で過ごさなければならないのですね……。この愛嬌と高建のないノ・ムヒョンの下で。
 やっぱり応援するしかない。
 楽韓Webはムン・ジェインを応援しています!

誰かが足りない (双葉文庫)
宮下奈都
双葉社
2014/10/16