<慰安婦TF発表>「安倍首相、平昌五輪不参加の方向で調整…駐韓大使の帰国も検討」(中央日報)
【社説】北核を目の前にして韓日関係は破局に向かおうとするのか(中央日報)
【社説】日本を敵視する文大統領、国益は計算しているのか(朝鮮日報)
読売新聞は29日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「重大な欠陥がある合意では慰安婦問題は解決されない」という立場を明らかにしたことに関連し、日本政府が長嶺安政駐韓日本大使を帰国させることを検討していると報じた。

同紙は、安倍首相が前日、外務省の秋葉剛男外務審議官と金杉憲治アジア大洋州局長と首相官邸で対策について協議したと伝え、「長嶺大使を一時帰国させる案なども浮上している」と報道した。日本政府は今年初め、釜山(プサン)総領事館前に慰安婦少女像が設置された当時も長嶺大使を帰国させ、85日ぶりに帰任させた。

同紙は「韓国の慰安婦タスクフォース(TF)が検証結果を公表した直後、文在寅大統領が声明を発表した点から、日本政府は韓国側が近いうちにいかなる形態であれ措置を要求してくるとみている」とし「元慰安婦に安倍首相が手紙を送ることを要求してくる可能性がある」という外務省幹部の発言を伝えた。

安倍首相と外務省高官らの前日の対策協議では、合意修正要求には一切応じず、韓国側がどう出てくるかによって対応を取る方針を確認したとみられると、同紙は報じた。続いて「安倍首相の来年2月の平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)出席も見送る方向で調整されている」と伝えた。
(引用ここまで)
青瓦台(チョンワデ、大統領府)側が来年初めに発表すると話した追加措置が何かによって、ただでさえ冷え込んだ韓日関係はより一層厳しくなるだろう。河野外相はすでに数日前「合意を変更するなら、両国関係が管理不能になるだろう」と警告し、安倍晋三首相も「合意は1ミリも動かないだろう」と話した。外交街では「今後最低限2年間は韓日両国の間に何も実現されることがないだろう」という嘆きが聞こえる。

慰安婦問題は日本がいくら謝罪をして、いかなる代価を払っても国民的怒りがすべて消えることは難しい過去だ。そのため、朴槿恵(パク・クネ)政府もこの問題解決を韓日首脳会談に結びつけて4年近く会談ができないほど韓日関係は冷え込んでいる。そうするうちに、北朝鮮による核・ミサイル危機が深刻化し、両国の連携が切実だという判断の下で両国が一歩ずつ歩み寄って合意に至ったわけだ。日本が拒否してきた首相の公式謝罪と日本政府の予算としての慰安婦財団の設立も初めて実現された。「日本側に一方的に偏った合意」というのがTF(タスクフォース、作業部会)の判断だというが、手続き的欠陥を理由に合意を覆し、未公開文書を公開して世論を刺激する行動は相手国の不信を招くのに十分だ。その上に、TFが強調している「被害者中心主義」の基準が何か、TFはもちろん、政府をも明らかに答えていない。また、慰安婦合意は当時、韓日間対立が高まっていた状況を懸念した米国が斡旋した側面もあり、ややもすると米国と不快な関係につながる可能性もある。
(引用ここまで)
文大統領は「重大な欠陥」「普遍的な原則に反する」「被害者本人と国民を排除」などの言葉を使って合意を批判した。ここまで言うのであれば、文大統領は合意の破棄あるいは再交渉を当然念頭に置いていることだろう。ただし大統領府は合意の破棄と再交渉については今回明確な立場を示さなかった。 (中略)

慰安婦合意をめぐって韓国政府がいかなる決定を下したのかは明らかになっていない。韓国政府は今後、当面は国内政治向けに活用はするものの、合意の破棄や再交渉要求にまでは踏み込まない可能性もあるようだ。いずれにしても韓日関係は最悪の状況に陥ってしまいかねない。 (中略)

釜山の区庁が日本領事館前の少女像を一時撤去した時にも「親日行為」などと非難した。まるで日本を完全に敵対視しているかのようだ。このような言動は大衆からの支持は得られるかも知れないが、外交面での影響についてしっかりと備えができているのか気になるところだ。
(引用ここまで)

 慰安婦合意を破棄なり、再交渉なりしたとしますね。
 タスクフォースによる検証結果に対する大統領談話を見るかぎり、確実にその方向であろうと思われます。
 日本との二国間関係をこれまでにないほどに悪化させるであろう。「韓国は最低限の約束すら守れない国だ」というアナウンスもされるであろう。
 そういった方向性の外交方針であるということに間違いはないでしょう。
 記事中に「2年はなにも実現されなくなるだろう」とありますが、2年で済めば上出来といえるでしょう。
 パク・クネ政権では「歴史問題が解決されるまで首脳会談はしない」と宣言され、実際に4年ほど首脳会談はありませんでしたが、これといってなにも問題はありませんでした。

 それで、ですね。
 悪化させたあとになにか方策があるのか、という話なのです。
 ポピュリズムの権化のような政権ですから、当然こうするのであろうなということは検証タスクフォースが結成された時点で分かっていたことです。
 日本側はそれに対する準備はできているように見えますね。
 「大使帰国」「平昌五輪への出席拒絶」といった方策は当初からオプションとして考慮されていたように思えます。

 韓国はそれに対してなんらかの対応策があるのか、と。
 どうもなにもないんじゃないかと思われます。
 カン・ギョンファが訪日時に「通貨スワップ協定再開を!」って言い出したように、「韓国がなにをしようとも日本はツートラック外交を受け容れる」という前提でやっているような感じです。
 なにかとんでもない秘策があるんでしょうかね。
 そういえば、ムン・ジェインは大統領選挙中に「すべての当事国を満足させる腹案が私にはある」とか言ってたなぁ……。
 はっ、まさか三不の誓いこそが腹案だったとかいうオチ?

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:韓国外交の暗雲」〈2017年5月23日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2017/5/16