[単独] [警備員解雇]「コストの問題」... 警備員94人全員解雇通知(SBS・朝鮮語)
<アンカー> ソウル江南のある大団地のアパートで警備員に全員解雇を通知しました。最低賃金引き上げによる負担を減らそうと警備員の休憩時間を増やす近道を書いて議論になったところです。
まず、キム・ヒェミン記者が単独報道します。

<記者> ソウル鴨鴎亭洞区の現代アパート警備員は先月28日、青天の霹靂のような通知を受けた。94人全員が、今月末に解雇されるというのです。
入居者代表会議は、警備業務管理の難しさと最低賃金の引き上げなどのコストの問題を理由にしました。

警備員:「寂しいですね。一日の朝にも解雇されるわけですが……くよくよ悩んでいる人もいて」

入居者代表会議側は今後、「警備員の雇用は用役業者を介することになる」、「現在の警備員も用役会社を通じて再雇用する」と明らかにした。
警備員は用役転換を再考してくれとしたものの、結局解雇予告通知書を受けた。

警備員:「私たちは給料を上げなくても、休憩時間を増やすも、どのような方法をも労働組合で解決をします。用役会社を介することに対してなかったことにしてくれと...」

現行の労働基準法上の整理解雇のためには、緊迫した経営上の必要がなければならず、解雇を避けるための努力を尽くしたあと労組と誠実協議が必要です。

イ・ジャンホ/労務士「よりによって今になって管理上の未熟というような部分を理由として用役企業に転換するのは経営上の緊迫した必要性があるのかという点で疑問が残ります」

SBSは入居者代表会議側の立場を聞いてみようとしたが、応じなかった。
(引用ここまで)

 以前にもちらっと書きましたが、マンションの警備員というのは韓国でも最下層とされている職種。下手したら人間として扱ってもらえないレベル。
 住民からの暴言は常で、暴力沙汰、唾を吐きかけられるなんてこともよくある話。
 「現代の白丁」というのは言い過ぎですが、まあそう言われてもおかしくない人たちです。
 24時間休みなしで働いてなんぼというくらいのもので、かつては最低賃金すら適用しなくてもいい(10%オフ雇用OK)とされていました。
 定年後(もしくはいわゆる名誉退職後)の再雇用先として、セーフティネットのひとつというような扱いなのですね。

 韓国でもっとも地価が高いとされる高級住宅地である江南の巨大マンションに住む人間にとっては、マンションの警備員などゴミような存在と言っても過言ではないでしょう。
 ちなみに同じ江南にあるマンションでは配達員はエレベーター使用禁止のマンションとかもあります。住人でない人間にマンションの電気料金を使ってサービスを提供する必要がないから、だそうですよ。
 まさに李氏朝鮮時代の両班と白丁の再現です。

 なんでマンションの管理組合側が直接雇用をやめて用務企業のからの派遣に切り替えることが節約になるのだって話になるでしょうが。これまで94人がフルで働いていたものをシフトを変えて80人なり70人なりで同じ業務をやらせる。
 そうすれば15%の最低賃金上昇に同じ金額で対応できるわけですね。労働強度が上がる? それは派遣会社との問題であって、マンション住人とは関係ない事柄になったわけです。
 さらにいえば、たとえば派遣会社が最低賃金を守らなかったとしてもマンション側とは関係のない話になるわけですね。あくまでもたとえ話ですが。
 もちろん、直接雇用に際しての事務作業もなくなるのでそのあたりの経費節減にもなっているでしょう。

 ちなみに韓国のマンションは20〜30階建てくらいのものが数十棟あるという形もので、一棟だけという日本の形態とは大きく異なっています。
 なので警備員、管理人の数もかなり多いのですね。

 これがムン・ジェインの所得主導成長政策の成果ですわ。
 またあとで扱うと思いますが、最低賃金は上昇させたのだけどもそれに伴って外食産業が値上げするようなことがないように政府単位で監視しているとのこと。
 ……16%上昇じゃまだ足りていないようなので、2020年と言わず来年にでも時給1万ウォンを最低賃金にしてしまうのがよいと思います。

21世紀の不平等
アンソニー・B・アトキンソン
東洋経済新報社
2015/12/11