最低賃金違反事業主リスト公開案に零細自営業者ら反発(朝鮮日報)
 最低賃金に違反した事業主の名簿を政府が公開し、融資制限などの信用制裁を加える案を推進することが分かった。既に最低賃金に違反した事業主に対する刑事処罰規定がある状況で、名簿公開(3年間)と信用制裁(7年間)により最低賃金違反行為を厳しく取り締まるというものだ。零細自営業者や中小企業は「最低賃金に違反したからと言って、事実上の債務不履行者にするというのは、今すぐ店や会社を畳めと言っているのと同じだ」と強く反発している。

 雇用労働部(省に相当)は15日、「勤労基準法を改正し、最低賃金に違反した事業主の名簿を公開、信用制裁対象にする案を推進する」と明らかにした。事業主が最低賃金を順守するよう強制的にするため、賃金未払い事業主に適用していた名簿公開・信用制裁を最低賃金違反の事業主にも拡大適用するということだ。

 雇用部のキム・ワン労働基準政策官は「(最低賃金違反や賃金未払いなどは)道徳的な問題があるだけでなく法に違反する重大な犯罪だ。名簿公開と信用制裁を通じて賃金未払いの事業主が産業現場に足を踏み入れられないよう、あらゆる行政力を集中させる」と述べた。賃金未払いはもちろん、最低賃金に違反して摘発されれば、事業が行えなくるようにするという意味だ。

 政府は昨年10月に「雇用政策5年ロードマップ」を発表した際、最低賃金に違反した事業主の名簿公開と信用制裁を推進すると公言していた。また、政界でも与党「共に民主党」の韓貞愛(ハン・ジョンエ)議員が昨年11月に最低賃金違反の事業主に対する制裁強化内容を盛り込んだ労働基準法改正案を代表発議している。

 雇用部が昨年下半期に全国約3000店(飲食店1851店、美容院404店、ガソリンスタンド466店)を対象に、労働基準法に準拠しているかどうかを点検したところ、最低賃金違反業者の割合は飲食店4.1%、美容院7.7%、ガソリンスタンド3.9%だった。16年時点で、全国各地の飲食店は35万店、理容室・美容院は14万店、ガソリンスタンドは1万2000店に達する。このため、業種別業者数に違反業者の割合を適用して推定すると、全国で飲食店1万4000店、理容室・美容院1万1000店、ガソリンスタンド460店の事業主が信用制裁を受ける可能性があるという計算になる。
(引用ここまで)

 去年の8月に雇用労働部長官(当時候補)が国会で「最低賃金を支払わない業者は3倍の懲罰的罰金を課す」として話題になりましたが。
 今回はさらにブラックリストに掲載して、さらに商売をさせなくなるという状況に追いこもうとしているわけですね。
 今回の最低賃金上昇は約100円。650円から750円に上昇させたわけです。
 で、引き上げからまだ月半ばまでしか過ぎていないというのに、いろいろと状況が出てきまして。

 ・コンビニは閉店して、オーナーがバイトをはじめる
 ・マンション警備員は全員解雇で派遣扱いに変更
 ・ボーナスや食事サービスを削って最低賃金に対応
 ・政府系外国人支援センターも最低賃金に対応できずに整理解雇
 ・実際の求人でも最低賃金を支払わない業者多数

 これらのエントリ、1月にアップしたものだけです。
 記事では「飲食店、理髪室・美容院、ガソリンスタンド」だけがピックアップされていますが、その他のコンビニやPC房(ネカフェ)、ノレバン(カラオケボックス)なんかも同様に最低賃金を払えない業者になるでしょうね。

 まだ工場の海外脱出については全体的な統計は出ていませんが、2年後には最低賃金が1万ウォンになるということで京紡のように確実に脱出の速度は速まることでしょう。ウォン高もじわじわ進んでいますしね。
 京紡と同じく併合時代から続いている中堅紡績企業である全紡もいくつか国内工場を閉鎖しているとのこと。

国内最古紡績工場、83年の歴史に幕(国民日報・朝鮮語)

 日本は民主党政権時代の超円高容認政策で工場が海外に出てしまった後、最近になってようやく日本回帰の傾向を見せるようになりました。最新の工場を一度建ててしまうと、設備投資はそこを優先して行われてしまうので投資環境がよくなろうとも少なくとも数年は他への建設はなくなるのですよね。
 その間、失われた雇用はそのままになるのです。

 まあ、でもムン・ジェイン曰く「途中、いくばくかの混乱はあるかもしれないが、最低賃金を高くすればみんなが幸せになるのだ」ということですから。
 きっと所得主導成長戦略で幸せになれるのでしょう。がんばって、ぼくらのムン・ジェイン!

日本人へ 危機からの脱出篇
塩野七生
文藝春秋
2013/10/20