「南北合同チームは政府と北の横暴」 韓国の若者激憤(朝鮮日報)
韓国政府困惑、南北合同チームへの若者の反発は「予想外」(朝鮮日報)
 平昌冬季五輪への北朝鮮の参加をめぐり、韓国政府が女子アイスホッケーの南北合同チーム編成や北朝鮮東部の馬息嶺スキー場での南北合同合宿などの方針を表明したことに対し、韓国の20−30代の若者層が強く反発している。就職準備中のイ・ソンミンさん(24)=仮名=は「女子アイスホッケーの選手たちの状況は、まるで今の私と同じだ。一生懸命に努力してやっと面接でたどりついたのに、コネ入社が決まっている人と一緒に面接を受けろと言っているようなものではないか」と怒りをぶちまけた。また、20代の大学生は「南北問題や理念という話以前に、政府の決定は不公正だ」と話した。

 18日、20−30代に人気のあるインターネットの各種掲示板は政府に対する非難の声であふれた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の熱心な支持者だという20代のネットユーザーは「統一チームの結成は公正でも正当でもない」と書き込んだ。別のネットユーザーは「いったいなぜ北朝鮮と統一チームを結成するのか。延坪島砲撃や哨戒艦『天安』爆沈の件で謝罪すらしてないではないか」と憤った。 (中略)

 韓国の20−30代は過去最悪の就職難と受験戦争を経験し、常に競争に追い立てられてきた。理念よりも不公正さや権力の横暴に強く反応する。高麗大学統一外交学科の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「哨戒艦爆沈や延坪島砲撃、軍事境界線付近での木箱地雷事件など北朝鮮の挑発を目の当たりにして育った20−30代は、北朝鮮に期待するという幻想を抱いていない」とした上で「今回の政府の決定は実利もなければ公正性・合理性もないと考えて怒っている」と指摘した。
(引用ここまで)
 平昌冬季五輪をめぐる韓国・北朝鮮の合意に対し、韓国の20−30代が強く反発し、韓国大統領府(青瓦台)と与党が戸惑いを見せている。与党の関係者は「予想できなかったことだ」として「若者層の不満の原因を読み解いている」と述べた。その上で「今後きちんと説明すれば、否定的な世論は落ち着くのではないか」との見方を示した。

 20−30代は文在寅(ムン・ジェイン)政権を支える中心的な支持層だ。世論調査機関「韓国ギャロップ」が9−11日に行った調査では、文大統領の国政運営について「よくやっている」との答えが20代で81%、30代では89%に達した。全体の支持率(73%)を大きく上回る数字だ。そのため、今回の南北合意も20−30代が積極的に支持するものと与党は期待していた。しかし、南北合同チーム結成に関しては、20−30代の反対が約82%で、全世代の中で反対の割合が最も高かった。与党が全く予想していなかった結果だ。

 青瓦台の関係者は「インターネットの世論をずっとチェックしている」とした上で「女子アイスホッケーチームに北朝鮮選手は少数しか加わらないため、チームの戦力は変わらないという点を政府がきちんと説明する予定」と述べた。

 与党「共に民主党」の関係者は「若者層が(保守政権の)10年間でまともな統一教育を受けられず、韓半島旗(統一旗)や南北合同チームの意味をよく分かっていないようだ」と話した。さらに「北朝鮮の参加者たちの来韓を機に、冷え込んでいた南北関係が改善されれば世論も変わる可能性がある」と期待感を示した。20−30代の否定的世論が全体の多数派ではないため、大統領の支持率にさほど影響を及ぼさないと見ているわけだ。
(引用ここまで・太字引用者)

 おや、気がついていないっぽいな。
 韓国の若者は女子アイスホッケーチームと自分の境遇を重ね合わせているのですよ。

 韓国の若者は就職のために各種資格や留学経験、ボランティア経験と言ったスペックを積んでいくためにどれほど努力しても報われない。
 アルバイトしては「暇なバイトなのに最低賃金を寄こせだと? おまえには良心がないのか?」みたいな言葉を投げかけられる。
 大学を卒業しても就職率は50%台正規職は30%そこそこ。窓もないようなノリャンジンのコシウォンで就職できなかった人間にとってのセーフティネットであった9級公務員試験に向けて勉強してても、その9級公務員にすらソウル大学卒業生がやってくる始末。

 甲質(カプチル)と呼ばれる甲の横暴、甲乙葛藤に悩まされてきた韓国の若者が女子アイスホッケー韓国代表は自分と同じだと感じているのです。というか、自分そのものであると。
 彼女たちはこれまで国家代表に入るために努力してきたのに、なにもしてこなかった北朝鮮代表が横から入り込んでくる。
 チェ・スンシルの娘であるチョン・ユラが韓国屈指の名門女子大である梨花大学に推薦で入学できたこととなにが違うのだ、と。

 ムン・ジェイン政権はそういう韓国社会の悪弊をぶち壊すことを期待されて大統領選挙で勝利したのに、対象が違うだけでやっていることはまったく同じではないかと糾弾されているのですよ。
 まあ……「いまさら気がついたの?」ってことですけどね。
 「不動産投機、脱税などの5大不正を犯している人物は閣僚に登用しない」はずだったムン・ジェインの主要閣僚は、ほとんどがその5大不正に引っかかっていた
 彼らもまた等しく韓国社会で暮らしている人間であり、かつ「国会議員」という権力側の人間なのだから、甲であることに差があるわけがないのですが。

 ムン・ジェイン政権は支持率が高いのでなにをしても大丈夫だろう、という認識だったのでしょうが。
 今回の横暴さでどのくらいの反感を買うんでしょうかね。

韓国新大統領 文在寅とは何者か
澤田克己
祥伝社
2017/6/7