平昌五輪、「韓vs米日」の対決の場に変質か(中央日報)
「慰安婦合意をどうするつもりなのか問い、北朝鮮との対話ムードには釘を刺しに行く」。

日本の安倍晋三首相が平昌(ピョンチャン)五輪開幕式への出席を突然決めた理由について25日付の日本メディアがこのように分析した。

朝日新聞は安倍首相の平昌行きを「慰安婦合意に否定的で北朝鮮との融和路線に傾いている文在寅(ムン・ジェイン)大統領との直談判に臨む」と表現した。 (中略)

北朝鮮の核・ミサイル挑発の渦中に開く平昌五輪が韓半島(朝鮮半島)周辺列強の利害がぶつかる国際政治の激戦場に変質している。

刀を研いでいるのは日本だけでない。韓国の同盟国である米国も同じだ。米国も日本のように平昌五輪を契機に北朝鮮に対する国際社会の圧迫戦列が乱れることを懸念している。

米国代表団を率いて訪韓するマイク・ぺンス副大統領は日本側に「安倍首相が一緒に(平昌に)行ってくれたら非常に助かる」とSOSを出したという。また「トランプ米国大統領の意向」としつつ「米国と日本が共に韓国に行って韓・米・日の対北朝鮮共助を確認しよう」というメッセージが伝えられてきたのもこの頃だった。そして、このようなメッセージが安倍首相の平昌行きの決断に大きな影響を及ぼしたということだ。

実際、ホワイトハウスは23日(現地時間)の会見で「ぺンス副大統領は金正恩(キム・ジョンウン)が五輪期間にメッセージをハイジャックしないか深刻に懸念している」、「ぺンス副大統領は『メッセージ』という側面で五輪が(北朝鮮の)2週間の宣伝戦に変質しないようにするだろう」と強調した。 (中略)

これに関しては平昌五輪を契機に韓国で韓・米・日の最高位(米国は副大統領)3者会談が開催されるかもしれないという報道も出てきた。米国側が要請したというこの会談がもし実現すれば北朝鮮に対する圧迫を強調する米・日と南北対話の動力を五輪以後も継続しようとする韓国の間に神経戦が行われる可能性もある。 (中略)

「平昌五輪でなく平壌(ピョンヤン)五輪」という非難に巻きこまれたくなかったとすれば最低限、対朝共助パートナーである米国と日本にでも事前に明確に共感を得なければならないという指摘だ。

「南北対話を支持する」というトランプ大統領のリップサービスを過剰解釈したということだ。

特に命をかけて朝鮮戦争に参戦した国家を中心に招集された16日のカナダ・バンクーバー外交長官会議が代表的だ。よりによってそのような席で康京和(カン・ギョンファ)外交長官が北朝鮮に対する人道的支援を再開するという意欲を示さなければならなかったのかという指摘が出ている。米国・英国・日本の長官がその場で口をそろえて「時期尚早」と反対したという場面は韓国外交の孤立した姿を示唆している。
(引用ここまで)

 「ペンス副大統領+安倍総理 VS. ムン・ジェイン」という構図にするために、安倍総理の訪韓があったのではないか……とのこと。
 トランプ大統領の名代であるとはいえ、ペンス副大統領だけではちょっと押しが足りないというのは実際のところでしょう。
 G7で見てもメルケルの次に長期政権を続けている首脳ですからね。
 対北圧力を増すための援軍としてくるのであれば、これほどありがたい存在はないってところでしょうか。

 昼のエントリで「米軍参謀本部が『オリンピックが終わったら即合同軍事演習だ』と語っているのは、対北圧力というよりは韓国に向けた圧力である」という話をしていましたが。
 韓国政府は……というか、ムン・ジェインはオリンピックが終わっても南北協議を続けたい。
 何度も「朝鮮半島では戦争を起こさせない」「韓国の許しなしに誰も朝鮮半島で戦争を起こせない」と発言していますが、なんとしてでも北朝鮮を守るという決心があるのでしょう。
 以前から「北朝鮮が核開発を凍結したら、軍事演習を縮小する」とムン・ジェイン政権の外交特別補佐官であるムン・ジョンインが発言しています。
 オリンピックが終わったあとにも軍事演習をしないことで、北朝鮮に核開発の凍結を促したいというのが韓国政府の意向。

 ムン・ジェインが「南北会談がなによりも優先する」という姿勢を見せ、有耶無耶のうちにキーリゾルブ、フォールイーグルといった米韓合同軍事演習をキャンセルするのではないかと。
 それに対抗するのが日米の首脳ということになるのだ……という絵ですかね。
 対北圧力を継続させるためにというお題目ならありかもしれない。

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冨澤暉
新潮社
2017/11/17