首相平昌出席へ 溝を乗り越える対話を(東京新聞)
毎日新聞は訪韓について社説なし
(社説)首相訪韓へ 平和を築く決意の場に(朝日新聞)
首相平昌五輪へ 慰安婦合意の履行を求めよ(読売新聞)
首相の平昌出席 合意は変わりようがない(産経新聞)
 国と国との約束は当然守るべきだが、といって「合意は一ミリも動かさない」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)というかたくなな姿勢はどうか。

 女性の人権についての問題は、国家間の合意だけでは解決できない精神的な面もある。

 安倍首相は、一五年の日韓合意の中で、慰安婦の女性たちに「日本国の首相として心からおわびと反省」を表明した。これを首脳会談の席で再確認してはどうか。

 双方の主張は平行線になるかもしれない。それでも今回の訪韓は、日韓首脳が信頼関係を回復するための一歩となるだろう。
(東京新聞・引用ここまで)
 日韓両政府の関係を立て直すうえでも、首相の訪韓は好ましい。この機を逃さず、文在寅(ムンジェイン)大統領と腹蔵のない意見交換を図り、異論があっても自然に対話できる関係を築くべきだ。(中略)

 日韓双方が汗をかき、困難な決断をした合意であり、尊重すべきだ。元慰安婦らの心の傷をいかに癒やすかが合意の本質だったことも忘れてなるまい。

 ただ、政府が合意しても、不幸な歴史をめぐる国民感情をときほぐすには時間を要し、その過程では両政府の不断の行動の積み重ねが求められる。

 その意味で安倍政権が、合意ですべてが解決したかのように振るまうのは適切ではない。

 文政権も、朴槿恵(パククネ)前政権を批判するあまり、当時できた合意を突き放すなら無責任だ。

 両政府とも率直な対話を厭(いと)わず、それぞれが自国民に向かって両国関係を前進させる価値を説く機会を増やすべきだろう。
(朝日新聞・引用ここまで)
 国家間の合意を一方的に見直すという国際常識に外れた文政権の新方針が発表されたばかりだ。

 日韓合意は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を明記している。だが、文政権は「真の問題解決にはなり得ない」と決めつけ、日本に「自発的な真の謝罪」などを期待すると発表した。

 合意の骨抜きを図る内容で、許されるものではない。日本が日韓外相会談などで抗議し、合意の履行を求めてきたのは当然だ。

 韓国の女性家族相は韓国紙のインタビューで、慰安婦を支援する財団の年内解散にまで言及した。こうした合意の白紙化に向けた無責任な動きに、首脳会談でクギを刺す意味は小さくあるまい。(中略)

 韓国は首相訪韓を歓迎しているが、首脳会談が成果を生む保証があるわけではない。リスクを取る訪韓となるのは避けられまい。

 首相は、文氏と物別れとなることを恐れずに、是正を求めるべき点はきちんと要求しつつ、日韓協力の拡大も目指す必要がある。

 文氏には、慎重論がある中で訪韓する首相の決断の重みを真剣に受け止めて、前向きな対応をすることが求められよう。
(読売新聞・引用ここまで)
 首相が隣国で開かれる五輪で「選手団を激励したい」というのは本来なら自然なことだろう。

 快く訪韓できる環境を損なってきたのは、ひとえに韓国に原因がある。

 首相は五輪出席に合わせ、文在寅大統領と首脳会談を行う予定だ。産経新聞のインタビューに答え、慰安婦問題の日韓合意で文政権が示した新方針に対し、「受け入れることはできない」と直接伝えると語った。

 あたり前のことだが、「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった合意は変わりようがない。 (中略)

 文政権は、歴史問題と外交や経済関係は別などとしているが、約束を守らぬ国との信頼関係など築きようがない。

 首相訪韓に対し、自民党の外交関係の会合でも見直しを求める意見が出るなど、批判と危惧があるのは確かだ。日韓合意を履行せず、北朝鮮の五輪参加で融和に前のめりの文政権に日本が妥協したと誤って受け取られかねない。

 安倍首相は批判を承知で行く以上、文氏の態度を変えさせる強いメッセージを発しなければなるまい。腰の定まらない外交姿勢では足元をみられる。
(産経新聞・引用ここまで)

 毎日新聞が社説を出していないのは不思議なところ。
 前から感じていたのですが、毎日新聞は極左的な陣営と保守的な陣営が同居している感じなんですよね。「社としての意見が出せない」のかもしれません。
 読売と産経の社説の方向性はほぼ同じ。
 ペンス副大統領と共同歩調を見せて決裂しても構わないから、言うべきことを叩きつけろという話です。

 で、朝日と東京もほぼ同様。
 「合意ですべて解決したなどとは思うな」という方向性。
 そもそもそれが間違いなのですけどね。
 政府間交渉としては「最終的かつ不可逆的」にすべて解決。あとは韓国がどうするかは韓国に任せるけど、二度と政府間でこの問題を持ち出すなというのが慰安婦合意の本筋です。
 ま、それをどう扱うかでメディアの本質が浮き彫りになるので、リトマス試験紙としても作用しているという部分があって面白いところ。

 それよりも東京新聞の「もう一度『おわびと反省』を再確認してはどうか」が突っ走りすぎですごい。
 「最終的かつ不可逆的に解決」でも足りない。
 こういう意味において韓国人をバカにしているのは左派なのですよ。
 「日本は大人の対応をすべき」って話は、相手を子供扱い、おみそ(おまめ、ごまめ、あぶらっこ)扱いしているということを理解していない。

 むしろ、「韓国はまともな大人になれ」と言うべきなのにね。

韓国リスク 半島危機に日本を襲う隣の現実 (産経セレクト)
室谷克実 / 加藤達也
産経新聞出版
2017/12/30