最低賃金上がっても月給は変わらなかった理由(ハンギョレ)
 蔚山(ウルサン)大学で清掃労働者として働いているLさん(58)は、最低賃金引上げを控えた年末にはいつも、労働時間の減った新しい労働契約書を受取ると話した。とうとう今年は一日1時間の休憩時間にさらに午前・午後30分ずつ休憩時間を追加し、労働時間を7時間にするという通知を受けた。労組の反対で休憩時間を増やす計画は取り止めになったが、学校と委託業者は代わりに休日労働をなくす方案を推進している。そうなればひと月17万ウォン程の休日手当が消えて、最低賃金引上げ分のひと月22万ウォンのうち5万ウォンくらいだけが残る。「他の人から見たらいくらにもならない何十万ウォンかも知れないが、最低賃金が上がっただけ賃金が上がらなければ、私の賃金で生計を立てている私の家族も食べられなくなりますからね」。Lさんは深いため息をついた。

 最近数年間、最低賃金引上げにより時給基準では低賃金労働者の割合は減っているが、事業主が費用削減のために労働時間を減らす中で、月給基準で見れば低賃金労働者の比重はほとんど変わっていないという分析結果が出た。労働時間短縮による最低賃金の姑息な引上げ事例が続くが、「労働時間短縮」をも重要な政策目標にしている政府としては明確な対策を打ち出せないでいる。 (中略)

 しかし、月給基準で見れば低賃金労働状況に大きな改善は見られなかった。 月給基準低賃金労働者の割合は2009年26.4%から2015年25.8%と、0.6%ポイントの減少にとどまった。 実際に、2015年基準で半数近い(45.4%)労働者が賃金下位10%に属するほど低賃金労働が蔓延としている清掃労働者の場合、2008〜2014年に時給が20.6%上がる間、月給は以前と同じ水準にとどまるという極端な結果が現れた。 清掃労働者の時間当たり平均賃金(統計庁地域別雇用調査基準)は2008年5083ウォンから2014年6132ウォンと20.6%上がった。 しかし彼らの平均月給は2008年に87万ウォン、2014年にも87万ウォンで同じだった。

 これについて報告書は「週36時間未満労働という短時間清掃労働者の割合が2008年27%から2014年40.8%に大幅に増加するなど、労働時間が減った影響」と分析した。
(引用ここまで)

 何度も何度も書いている「パイの大きさが変わっていないのに、時間あたりの取り分を大きくするのであれば人を少なくするか、働く時間を少なくするだけ」ということがよく分かりますね。
 たとえば記事にある清掃業者なら人が少なくなっても割り当てを増やせばいいし、働く時間を少なくしても時間内に終わらせるようにいえば問題なし。
 2017年の韓国における経済成長率は3.0%。
 それなのに最低賃金は15%も上がっている。

 これまで韓国は上下格差を放置……というか、むしろ積極的に是認してきた。
 バッカスおばさんの存在を見ても分かるように、福祉もろくに考えてこなかった。もちろん、再分配もできていない。
 結果としてアメリカと同じレベルで上下格差があり、かつアメリカンドリームはないっていう国ができあがっているのですよ。

 そんな構造なのに、いきなり賃金だけ上げたところでどうにもならないなんてことくらい、ちょっと頭を働かせれば理解できそうですが。
 ここからさらに来年は8000ウォン台後半になり、再来年には念願の1万ウォンに到達ですよ。がんばれ、ムン・ジェイン!
 国内工場がすべて逃げ出すその日まで!