韓国系ビクター・チャ氏、駐韓米国大使内定者でから落馬…北朝鮮政策意見の相違?(中央日報)
米戦略国際問題研究所(CSIS)韓国部長でジョージタウン大学教授を務める韓国系米国人のビクター・チャ氏は、もう駐韓米国大使職指名検討の対象者ではなくなった。30日(現地時間)、ロイター通信が米政府官僚の言葉を引用して報じた。ワシントン・ポスト(WP)も、トランプ政府がチャ氏を駐韓米大使に指名しないことにして新たな候補を物色していると報じた。チャ氏はこれに関連してまだ論評は出していない。

これに先立ち、米政府はチャ氏を駐韓米国大使に内定し、昨年12月には韓国政府にアグレマン、すなわち任命同意を要請して韓国政府は直ちに承認手続きを完了していたことが分かっている。アグレマンまで受けた大使内定者を指名しないのは非常に珍しい。

WPは「北朝鮮政策に関する考え方の違いがホワイトハウスの駐韓米国大使選択を狂わせた」というタイトルの記事で、チャ氏が昨年末トランプ政府の北核政策に対して個人的に同意できないという意向を明らかにしたことで駐韓米国大使の指名を受けられなくなったと伝えた。WPによると、チャ氏はいわゆる「bloody nose(鼻血)戦略」として知られている、北朝鮮に対する制限的な攻撃に対して懸念を提起し、トランプ政府が韓米自由貿易協定(FTA)を廃棄すると圧力をかけることにも反対した。

WPは、ホワイトハウスが他の駐韓米国大使候補を物色中であることを匿名の米政府高位官僚が確認したと明らかにし、専門家はホワイトハウスが政治家の中から候補を探す可能性が高いとみていると報じた。また、大使指名過程をよく知るある消息筋が、チャ氏の検証過程で大使職位を任せられない問題が提起されたと明らかにしたが、その内容について言及しなかったと付け加えた。

オバマ政権下で仕事をしたことのある官僚OBは、WPに対して「相手国のアグレマン、任命同意を受けた大使候補の検証過程で遅まきに問題が見つかるのは極めて珍しい」と説明した。
(引用ここまで)

 次期駐韓アメリカ大使として内定していたビクター・チャ氏が、韓国からアグレマンまで受けた段階で就任取り消し。
 相手国から同意まで得た段階で大使の就任が取り消されるってあまり覚えがないというか……日本でそんなことはこれまでなかったんじゃないですかね。駐日大使でも、相手国に派遣する場合でも。

 で、その理由は「対北朝鮮の開戦に反対していたから」とされています。
 実際、ビクター・チャ氏は内定取り消しが報じられた後にワシントンポスト紙に以下のようなコラムを書いています。
 ざっくり書くと ── 韓国と日本にいるアメリカ人、そして北朝鮮の砲撃の範囲内にいる韓国人の命はリスクとして重すぎるので戦争をすべきではない。
 それがたとえ予防的戦争であってでも。
 代わりに中国ロシアとも協力して包囲網を築き、核の国外搬出ができないようにするなど徹底的な圧力で対応するべきだ ── というような記事です。

 こういった考えを持つ人物が、駐韓アメリカ大使としてほぼ決定していた状態から就任取り消しとなった。
 そしてトランプの就任から1年経過しても駐韓大使が決まらない。
 
 ふむ。なかなか興味深いところ。
 平昌冬季オリンピック中は南北対話を優先し、米韓合同軍事演習はしないということになってはいます。
 しかし、もはや多くの人間が「平昌後」を見据えています。1月の段階でパラリンピック終了後には即座に軍事演習を再開すると米軍がアナウンスしたのは象徴的ですね。
 ペンス副大統領と安倍総理の訪韓も実際には平昌後についての確認でしょう。確認であって、おそらくムン・ジェインがなにを言おうとも変わらない。
 その内容がビクター・チャ氏が提唱するようなものではない、ということが内定取り消しから見えてくるって感じではないですかね。少なくとも「核の搬出を日米韓中露で包囲して防ぐ」というようなものではない、ということは確実でしょう。
 ……予防的利確をしたほうがいいのかなー。

内定力
光城 悠人
すばる舎
2017/4/19