【コラム】文在寅政権よ、この国をどこに導こうとしているのか(朝鮮日報)
 北朝鮮の五輪参加に全てを懸けたように南北対話にこだわり、低姿勢をいとわない親北外交、米国との関係で問題が生じるたびにちぐはぐに振る舞う脱同盟的外交、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をめぐり、卑屈なほどに頭を下げた親中外交、ポピュリズムの典型であるさまざまな賃金・税金・福祉政策に全力を挙げ、いわゆる「積弊清算」に取り組む逆行と疾走ぶりなどはいずれも一貫した共通の針路を示している。

 こうした状況で人々の大きな関心を呼んでいる事柄は次の2つだ。1つは北朝鮮問題。現政権の究極的な目標は何か。南北対話を「風前の灯」を消さないように守ってほしいと哀願(?)するような大統領の言行から人々は文在寅政権の対北朝鮮関係への恐ろしい執着を見て取る。この執着には北朝鮮の「非核化」は見えない。

 対話には対話を目指す目的がなければならない。政府は対話目標を明示的に説明したことがない。そこで疑問が生じる。現政権の対北朝鮮政策基調は南北共存なのか、南北連邦制を念頭に置いたものなのか、それとも統一なのか。これらを意味するならば、まずは軍事的対立が解消されなければならないはずだが、「軍事」には全く触れようとしない。

 国民は現政権がいかなる考えとビジョンを持ち、国をどこに導こうとしているのかについて、少なくとも概念的であれ知る権利がある。 (中略)

 もう一つの関心事は米国との関係だ。韓米間の昨今の状況はほとんど全ての面でかみ合っていない。文政権は口では同盟に言及しているが、内心は米国がまるで政権による南北間の努力の障害物かのような扱いをしている。 (中略)

 いずれ文政権は選択の岐路に立つことになる。文政権が米軍撤収を覚悟で最終的に北朝鮮への道を選択するのではないかというのが我々の懸念だ。 (中略)

文政権は本当に米国がこの地を去ってもよいと考えているのか、国民の前で明らかにすべきだ。

 当然一国の対外政策や安全保障の状況は、ものさしで測ったように線を引けるものでもなく、内容をはっきり示すことが必ずしも自国に有利なことではないことは分かる。しかし、現在は文在寅政権が革命でも進めるかのように過去の全ての政策と路線を修正し、反対方向に向かおうとしており、国民は不安がり、時には恐怖さえ感じる状況だ。文大統領は現政権の選択とそれによって発生し得る状況について、国民が納得できるようにすべきだ。「自分が選んだ政権なのだから、俺たちが行こうという方向にただ付いてこい」というようなやり方は容認できない。
(引用ここまで)
 朝鮮日報の金大中顧問(同姓同名の元大統領とは無関係)によるコラム。
 「ムン・ジェインは韓国をどこへ連れていこうとしているのか」という話。

 韓国ウォッチャーにとっては、「北主導での赤化統一が目標」であるというのは公然の秘密。
 こういうことは外からのほうが見やすいのでしょうね。
 楽韓Webでも当初から「任期中に統一は無理でも、そのための地ならしは5年間でやってくるはず」という話をしてきていると思います。

 そのためにまず在韓米軍の撤退を形にする。少なくとも戦時統制権の返還を行うことがその第一歩になる……というようなことを書いていますね。
 ムン・ジェインの返還を早急に行えという声に対して、米軍からは疑問の声が挙がっているのですがそんなこたお構いなしに進めていくことでしょう。

 正直、もう少し慎重にことを進めていくのではないかと思っていました。
 反米従北を見せすぎると保守派から反感を買うことになるので、5年かけたロードマップがあるのではないか……と。
 ところが平昌冬季オリンピックに北朝鮮が出場することになったために、こうして一気に馬脚を現してしまって不安の声が出ているというわけですね。
 もうちょっと賢いというか、慎重になると思っていたのですが。買いかぶりでした。
 経済政策を見れば手腕のていどは知れているはずなのだから、その他の能力も高いわけがないのですよね。

 元駐韓大使の武藤正敏氏が2012年の大統領選挙時に陣営でムン・ジェインと会った時点ですでに「この人は北朝鮮以外のことはなにも考えていない」としたのは本当に慧眼でした。
 韓国からは「元駐韓大使は韓国をかばう存在ではないのか」とか言われていましたけどね(笑)。事実なんだからしょうがない。

韓国人に生まれなくてよかった
武藤正敏
悟空出版
2017/6/1