【社説】異なる方向を向く韓米、「平昌後」が心配だ(朝鮮日報)
米副大統領「戦略的忍耐の終わりを伝えるために平昌へ」(朝鮮日報)
トランプ大統領は文大統領との電話会談直前に8人の脱北者と面会し「平昌オリンピック後については誰も知らない。(しかし)もうすぐ分かるようになるだろう」と述べた。 (中略)

またトランプ大統領が脱北者と面会する直前、米国政府のある高官は韓国の記者団に「トランプ大統領は軍事的、非軍事的オプションをいずれも検討している」と伝えた。これに対して韓国政府関係者の口からは「北朝鮮の核」という言葉はほとんど聞かれなくなった。ホワイトハウスは文大統領とトランプ大統領との電話会談について伝えるための会見で「北朝鮮の人権問題改善の重要性について意見を交換した」と明らかにしたが、韓国大統領府はそれについて一切言及しなかった。またホワイトハウスは先月初めにも「(両首脳が)北朝鮮に最大限の圧力を加えることで一致した」と明言したが、韓国大統領府はそれを伝えず、逆にホワイトハウスが言及しなかった「南北対話の支持」を強調した。(中略)

トランプ大統領は2日、文大統領との電話会談に先立ち日本の安倍首相とも電話会談を行ったが、その際トランプ大統領は「北朝鮮に対する最大の圧力を維持しようとする日本の努力に感謝する」と伝えた。この感謝の言葉は本来文大統領が直接聞くものべきだった。
(引用ここまで)
 米国のペンス副大統領は2日(現地時間)「(北朝鮮に対する)戦略的忍耐の時代は終わったという簡単で明瞭なメッセージを伝えるため(平昌)オリンピックに行く」と発言した。ペンス副大統領は平昌冬季オリンピックの開会式に米国選手団幹部らを率いて出席する。 (中略)

 一方でペンス副大統領は韓国大統領府に対し、オリンピック開会式前後のさまざまな行事で北朝鮮関係者と鉢合わせしないよう特別な配慮を求めたという。北朝鮮との対話には一切応じない考えを明確にするためだ。
(引用ここまで)
 「北朝鮮への圧力について韓国に申し入れる」と明言した安倍総理に続いて、ペンス副大統領も平昌に向かう意味を隠さなくなりました。
 曰く「もはや戦略的忍耐の時代は終わったというメッセージを伝えるために行く」と。
 これ、ちょっと聞くと北朝鮮が相手のように思えるのですが。
 メッセージを伝える相手は北朝鮮なのか、それとも韓国になのか。
 下の記事では「北朝鮮関係者と会わないように配慮を求めた」ということですから、伝える相手は韓国政府しかいませんね。

 戦略的忍耐の時代、といえば思い出されるのは1994年の北朝鮮危機。そしてオバマ時代ですが。
 もう、ああいった過ちを繰り返すことはない、という表明ですね。
 アメリカ(と日本)は最大限の圧力を北朝鮮に加える。
 そして、それでも効果がなければ軍事オプションを採用する、ということになるのでしょう。

 それを北朝鮮ではなく、「韓国に伝えに行くのである」というのが面白い構造。
 韓国の態度についに業を煮やしたというべきか。
 これで五輪終了後の米韓合同軍事演習の延期をムン・ジェインが言い出したらどうなることやら。
 北との統一を目論む「ムン・ジェインの野望」としては、北朝鮮の延命のためにもそうする以外に手はないのですが。

 平昌冬季オリンピックの会期中は米韓合同軍事演習は延期して南北対話を優先するということでした。
 しかし、その「五輪停戦」に対して開会式前日の8日に北朝鮮は軍事パレードを予告して挑発をしようとしています。
 そして、ペンス副大統領の訪日予定は今日から8日までの3日間。7日には安倍総理との首脳級会談。
 北朝鮮の出方を見てから平昌に向かう、という段取りになっています。

 今日扱う予定の日経ビジネスオンラインのコラムで鈴置さんは「開会式前日に軍事パレードをやるなら北朝鮮に対して軍事攻撃がある」と述べていますが……。

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高橋 洋一
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2017/12/22