韓経:GM工場閉鎖発表前日に電話で通知…韓国政府「激高」(中央日報)
【社説】GM群山工場閉鎖、韓国製造業に赤信号か(朝鮮日報)
米ゼネラルモーターズ(GM)が韓国GM群山(クンサン)工場閉鎖の決定を韓国政府に伝えたのは12日の夜遅くだった。GM本社関係者が産業通商資源部に電話をかけて、「あす午前に工場閉鎖を発表する」と一方的に通知したのだ。

産業通商資源部実務陣の報告を受けた白雲揆(ペク・ウンギュ)長官は非常に激高した反応を見せたという。白長官はこの日午前、韓経ミレニアムフォーラムに出席し、最近GMと接触した事実を公開し「GMが中長期的な経営改善計画と投資計画を先に提示してこそ韓国政府は協議できる」という立場を明らかにした。この発言が出てから半日でGMが「強攻」に出ると、韓国政府のある関係者は「後から殴られた気分だ…」と露骨に非難した。
(引用ここまで)
 4年にわたり総額3兆ウォン(現在のレートで約3000億円、以下同じ)に上る巨額の赤字を記録した韓国GMが13日、韓国国内にある4工場の一つである群山工場を今年5月末までに閉鎖すると発表した。残り3工場の今後の計画についても韓国政府や労働組合と話し合った上で、数週間以内には結論を出すという。国民の税金による支援や組合の譲歩がない限り、残りの工場も閉鎖する考えがあるようだ。GMが韓国から完全撤収した場合、国内の協力会社で働く従業員などおよそ30万人が仕事を失う。韓国GMは産業銀行による増資や税制面での優遇を要求しているようだが、どちらも結局は国民の税金を使った支援だ。 (中略)

 その一方で経営環境の悪化が今回のGM問題を引き起こす大きな原因となった事実も否定できない。韓国の自動車産業は世界的に見て人件費が最高レベルにある一方、生産性は非常に低い。韓国GMの従業員1人当たりの賃金は年間8700万ウォン(約860万円)で、2002年に比べると2.5倍にも膨れ上がっている。しかもこれは現代自動車の米アラバマ工場の7700万ウォン(約760万円)よりも高く、現代自北京工場の1120万ウォン(約110万円)に比べるとなんと8倍だ。ところがその生産性はこれら海外工場よりもはるかに低い。このような企業が生存を続けること自体がまさに奇跡だ。

 世界最悪の高い費用と低効率の構造が形成された大きな原因は、韓国独特とも言える非常に保護された労働組合にある。韓国GM労組は全国民主労働組合総連盟(民主労総)に加盟しており、会社が赤字を出す中でも毎年のように賃金引き上げを求めストを続けてきた。韓国からの撤収がささやかれ始めた昨年も組合は17日間にわたる部分ストを強行し、1万台以上の生産に支障を来した。しかも今回群山工場の閉鎖が決まった後でさえ組合は闘争を宣言している。このような状況が今後も続くようでは、残り3カ所の工場もどのような運命をたどるか予想もつかない。 (中略)

 GM群山工場は1997年に設立された韓国では最も新しい自動車工場だ。それから21年にわたり国内に新たな自動車工場は建設されていないが、現代自動車は海外に11工場を建設した。本来韓国の若者たちが手にするべき数十万人分の良質な雇用が海外に流出したのだ。GM群山工場の閉鎖は「韓国製造業海外流出の序章」ともささやかれている。賃金が高く生産性が低い環境で、しかも政府は企業に友好的ではなく、この傾向は現政権発足によって一層深刻化している。
(引用ここまで)

 はーい、韓国名物「海外企業によって後頭部を殴られた」をいただきました。
 まあ、世界最悪の労組ともされる民主労総配下の労働組合がある企業を買収した時点でこうなることは目に見えていたのですけどね。
 生産工の年間賃金は8700万ウォン。これがヒュンダイ・キアだと1億ウォンクラスも珍しくないレベル。
 それなのに生産性は極端に低い。
 以前、生産性と賃金をコミにするとヒュンダイ自動車の中国工場は韓国のそれに比べて10倍以上も高効率だという話をしましたっけね。
 そりゃ21年という長きに渡って新規工場が建設されないわけですよ。

 自治体によっては「給料半額でいいからうちに工場建ててくれ」なんて話もあるのですが、絶対に半額で済むわけないですしね。
 労働貴族と化した韓国の労組はこうして先細りしながら生き続けるしかないのですよ。
 労働者の子女に正社員の座を世襲させたり、正規職の座を売買しながらやっていくしかない。

 ちなみに韓国GMには閉鎖を決定した群山工場(2000人雇用)以外に3つの工場があって、第2工場には1700人、第3、第4工場は隣接していてあわせて約1万人の雇用があるとのことです。
 韓国GMが韓国から撤退すると1万3700人の生産工が職を失うわけですが。さて。

撤退のマーケティング戦略 DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文
フィリップ・コトラー
ダイヤモンド社
2015/10/5