韓国政府、「サムスン半導体の有害性測定結果を公開」(ハンギョレ)
 雇用労働部が、サムスン電子半導体工場の作業環境測定結果報告書を、白血病で亡くなった同工場の労働者の遺族に公開することを決めた。報告書はこれまで雇用部が「経営・営業上の秘密」として公開を拒否してきた資料だ。

 雇用部は18日、「サムスン電子温陽(オニャン)工場の作業環境測定結果報告書を公開せよという裁判所の判決を尊重し、最高裁(大法院)への上告をあきらめ白血病で亡くなった工場労働者、故イ・ボムウ氏(当時46)の遺族に報告書を公開することを決めた」と明らかにした。報告書には、作業場内で労働者がどれくらい有害因子に露出しているかを測定した結果が書かれている。

 イ氏は、1986年から28年余りサムスン電子温陽工場で勤務したが、2014年8月に白血病で亡くなった。イ氏が亡くなった二カ月後、遺族は労災立証のために雇用部天安(チョナン)支庁に報告書を公開するよう請求したが、天安支庁は「経営・営業上の秘密」だとしてこれを拒否した。遺族は行政審判に続き行政訴訟を相次いで提起したが棄却され、その後の控訴審では「公開せよ」という判決を受け取った。1日、大田(テジョン)高裁は、該当報告書が「事業活動によって発生する危害から人の生命・身体または健康を保護するために公開する必要がある情報に該当する」として「測定対象労働者の名前を除いた資料全体を公開せよ」と判決した。
(引用ここまで)

 これまでほとんど秘められてきたサムスン電子の半導体工場における半導体洗浄剤による白血病罹患が明らかにされようとしていますね。
 ムン・ジェイン政権であればこそ、という明の部分なのですが。
 サムスン電子本社の傍らで、セウォル号遺族会と同じように怪人像と共に座り込みを続けている遺族は果たしてこれで満足するのでしょうかね?


 これ、政権によるサムスン財閥叩きの一環なのでしょう。
 「経営上の秘密」であるとされて公開されずにいた資料が公開されるようになる。労災認定がされやすくなり、叩きやすくなるということです。
 かつての政権ではサムスン財閥は難攻不落のアンタッチャブルだったのですが、ムン・ジェイン政権では公取委員長に「サムスンハンター」と呼ばれる人物を登用するなど対決姿勢を見せています。

 サムスン電子の副会長であるイ・ジェヨンは「物証はないが心証では有罪」という地裁のトンデモ判決があって収監されていましたが、今月頭にあった高裁の執行猶予判決で1年ぶりに解放されています。
 これに対する怨嗟の声はとんでもないものでした。NAVERニュースの速報へのコメントが2万件を超えていましたね。
 案の定、執行猶予判決を出した裁判官に対して「こいつを叩け!」という韓国ネチズンの声が挙がり、またもや多くのプライバシーが晒されています。
 その後のロッテ会長であるシン・ドンビン(重光昭夫)への実刑判決(および即時収監)はそのバランスをとるためではないかと思われるほど。

 ムン・ジェインの大統領就任から9ヶ月ちょっと。
 韓国社会が変わったかと聞かれれば「最低賃金は上がりましたね」というくらいのもので、実際にはなにも変わっていない。堤川のビル火災密陽の病院火災を見ても社会構造はミリほども動いていない。
 ムン・ジェイン政権に期待されていたのは「偉大な韓民族にふさわしい社会」を描くことだったのですが、やっていることは「積弊清算」という名目で旧政権を叩くといういままでの政権と同じことだけ。

 「こんなはずじゃなかった」という支持者から挙がるであろう不満を、財閥叩きでなだめようとするでしょう。
 大企業を叩いたオチとしては海外脱出を加速させるというものになると思いますけどね。まあ、ある意味で平等が達成される社会になる可能性は高まっているんじゃないかな。