韓国GM労組、人件費節減を拒否…GMと韓国政府に9つの要求案だけ提示(中央日報)
民主労総韓国GM支部(韓国GM労組)が米ゼネラルモーターズ(GM)本社の人件費節減要求を事実上断った。民主労総韓国GM支部のイム・ハンテク支部長は20日に国会記者会見を終え中央日報記者と会い、「2月末という期間はGMの一方的な計画であるだけ。労組は2月末までに賃金団体交渉を終わらせる計画はない」と話した。

チョン・ヘチョル韓国GM支部政策企画室長も「金属労組が3月12日に立場を決めれば3月20日前後に韓国GM労組側の要求案が完成される。その後労使交渉を本格的に進める。2月末の交渉完了は完全に不可能な話」と釘を刺した。バリー・エングルGMインターナショナル社長が3月初めの新車割り当ての前提条件に掲げた「2月末労使交渉完了」の提案を労組が事実上拒否したものだ。 (中略)

また、政府要求案と別に韓国GM労組はGM本社に▽群山工場閉鎖撤回▽外国人役員・常務以上の役員縮小▽借入金3兆ウォンの全額資本金出資転換――など6種類の要求案を出した。

要求案は9種類にもなったが労組はこの日成果給縮小など人件費節減計画などは発表しなかった。要求案をGM本社が受け入れてこそ労組も費用削減に同意するという主張だ。 (中略)

延世(ヨンセ)大学経営学科のイ・ジマン教授は「交渉カードなのか脅迫なのかわからない。グローバル企業の立場から韓国が価値ある投資先なのかともに悩み、利害関係者が互いに譲歩しようとする姿勢が必要だ」と助言した。

韓国GM労組はストの可能性も取り上げた。イム・ハンテク支部長は「幹部もストの雰囲気は話している。代議員大会案件として上程し深く議論したい」と話した。韓国GM労組は22日に代議員大会を開催する予定だ。
(引用ここまで)

 面白い。
 韓国GMは事業継続のためには韓国政府からの公的援助と、労働者の人件費節減が必要だと要求しているのですね。回答期限はどちらも2月末まで。
 それが達成できないのであれば韓国からの撤退も視野に入れる……とは明言してはいないものの、まあ腹づもりとしてはそういうことなのでしょう。
 これらの要求が達成できるのであれば投資を再開して、韓国政府が求めるような次世代車の開発拠点を韓国に置くだろうというような話。
 ムン・ジェインは「群山工場周辺の雇用が最大限守られるように対策をすべし」と命令を出しているのですが、実際のところ具体策なんてないでしょうね。

 で、今回は韓国GM労組が「2月末までに答えることはできない」と回答。そもそも民主労総傘下にある韓国GM労組が人件費削減になんか協力するわけありませんね。
 さらにストも視野に入れているということですが。
 4年で3兆ウォン規模の赤字を垂れ流している事業を盾にとって「そっちの要求を引っこめないとストするぞ!」って……なんの冗談なんだか。

 企業側は「事業を続けたいのに、労働者にストをされたら困る」という状況だからこそ、ストライキは労組の手段として成立するのですよね。
 「この要求が受け入れられなければ韓国からの撤退も辞さない」という相手にストライキって……。
 「人は成功体験から逃れられない」とよくいわれますが、これまでの韓国経済ではストライキがそれなりに成功してきたのですよね。だからこそヒュンダイキアの工場労働者の賃金は1億ウォンクラス、韓国GMでも8000万ウォンクラスになっているのです。
 でも、そんな工場を潰したがっている相手にストするぞって(笑)。
 まあ……ちょっと見てみたい気はしますかね。

 ちょっと閑話。
 韓国GMに対して公的援助を出すことは「底の抜けた甕に水を注ぐ」ようなものと、無駄な金を注ぎ込むようなものという意味の慣用句を使って語られています。特に群山工場は稼働率20%未満であったことも手伝って、建て直しなんてとても無理という話になっています。
 この慣用句でふと古田博司教授の「李氏朝鮮は車輪を作れなかった」という話を思い出しました。技術的に木材加工をできなかった李氏朝鮮では水の運搬にも甕を使っていたのです。なので、韓国では「水を注ぐ対象」になるものは甕なのです。
 日本では水を使うもので、底が抜けるのは桶か樽を先に思い出すことでしょう。船幽霊の伝承では、底の抜けたひしゃくを〜とありますが、韓国ではひしゃくといえばひょうたんから作るものだと相場が決まっています。
 慣用句というのはそれぞれの民族の常識を反映しているので面白いものですね、とふと思いました。

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2012/08/10