韓国がTPP参加に向け日本に接触 政府、11カ国の発効優先 安倍晋三首相「変更考えていない」(産経新聞)
 離脱した米国を除く11カ国の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に韓国が関心を示し、参加に向け交渉を主導する日本政府に事務レベルで接触していることが23日、分かった。合意した11カ国によるTPP11に乗り遅れれば、アジア太平洋地域の成長を自国に取り込めないとの危機感が韓国側にはあるとみられる。これに対しTPP参加国は2019年の早い時期の発効を目指しており、日本政府もまずは11カ国での発効を優先させる方針だ。

 複数の日本政府関係者が明らかにした。このほど韓国から問い合わせを受けたという。韓国側は協定の詳細を確認し、参加の可否を探っているとみられる。 (中略)

 ただ、日本政府はTPP11について「ガラス細工のようなもので、変更することは考えていない」(安倍晋三首相)との立場だ。一部を修正すると“玉突き”で変更が必要となり、収拾がつかなくなるからだ。このため、まずはTPP11を発効させた上で、参加国を増やす構え。韓国を含む参加国の拡大も発効後に検討することになりそうだ。
(引用ここまで)

 韓国は「TPPは非効率で、二国間FTAを広げていったほうが手っ取り早い」ということで参加の意向を見せてこなかったのでした。「韓国の経済領土(FTAを結んだ相手の多さ)は世界一ィィィ!」くらいの勢いでしたね。当時。
 ところが最後の最後になって「参加したいのですけど」とか言ってきたのですよ。2015年頃でした。
 もちろん、そんな時期になっての参加は不可能ですし、そもそもTPP自体に対中国包囲網としての意味を持たせていたので、天安門スリーショットで「あちら側」であることを全世界にさらした韓国を相手にするわけもありませんでした。

 その後、トランプの大統領当選によってアメリカのTPP離脱という大きな出来事はあったものの、日本の旗振りと「対中国包囲網は必要である」という各国の認識によってなんとかTPP11として成立をしようとしているわけです。
 ここのところの中国の横暴さは目に余るということなのでしょう。特に東南アジア諸国からは「日本はアジアにおける中国の対抗軸となりうる大国として存在感を出してほしい」という要求はけっこうあるのですよ。
 今回のTPP11成立はそれを実現させることができた、ということでしょう。

 で、その苦労してできたTPP11に、なんの苦労もせずに参加しようとしているのが韓国である、と。しかも中国側であるくせに。
 韓国人による「韓国の認識」によるのであれば、こういうときの旗振り役こそが韓国にふさわしいはずなのですけどね。

2012紳士の国

 朝鮮日報も「中堅国である日本と手を結び、TPP11、ダイヤモンド同盟構想に参加しよう」とかいうコラムが掲載されていましたが。
 なにを言っているのやら。
 とりあえず11カ国での成立が最優先。韓国との交渉はそれ以降になるのでしょうが。

 そもそもTPP参加の大前提として「為替操作をしない」というものがあるのですよ。自由貿易ができるのに、為替を操作されたら大打撃を受けるに決まっています。
 アメリカが米韓FTAを覆そうとしているのも「あいつらはFTAを結んでいるのに為替操作をしている」という部分が大きいですし、ユーロ安の恩恵に与っているドイツに向けてヨーロッパ中から不満の声が上がっているのも「為替操作」そのものではありませんが似たような構造があります。
 韓国経済の構造として為替操作せずにいられない、ということでもあるのですが。
 果たしてTPP参加でそれがやめられるのか、公正な取引をするつもりがあるのかという話なのですよね。

ドキュメント TPP交渉―アジア経済覇権の行方
鯨岡 仁 東洋経済新報社
2016/9/16