‪韓国GM撤退問題は文政権のアキレス腱? 国費投入で救済なら国民反発 ‬(ニューズウィーク)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が窮地に立たされている。米ゼネラル・モーターズ(GM)が韓国事業を縮小した場合、給料の良い仕事が大量に失われ、文氏は政治的資本を失いかねない。

一方で、救済のため税金を投入すれば、国民の反感に直面することになる。 (中略)

「税金を使って民間企業を支援することに対して、国民から反発が起きる可能性から逃れることはできない」と、ある政府当局者は匿名で語った。

加えて、韓国では若者が正規雇用の職を見つけることがますます困難となる中、好戦的で有名な自動車労働者組合に対する世論の支持は低下している。

22日発表された調査では、30%がGMに対するいかなる公的支援にも反対だと答え、56%は同社が実現可能な再建計画を提示した場合のみ支援に賛成だと回答している。世論調査会社リアルメーターが実施した同調査によれば、雇用を守るために政府は無条件で公的資金を注入すべきと答えたのはわずか6%しかいない。

文氏は昨年、雇用創出を公約に掲げて大統領選に勝利した。その後まもなくして、公的部門において数十万人の雇用を生むために約11兆ウォン(約1兆円)規模の補正予算案を編成した。 (中略)

「文在寅大統領がこの問題を適切に解決することができなければ、雪だるま式に悪化して、もっと大きな問題となって大統領自身に跳ね返ってくるだろう」。閉鎖が検討されているGMの富平(プピョン)工場で7年働くベテラン従業員のLee Young-suさんはこう話す。「文在寅政権は、雇用を創出するのと同じくらい、雇用を守るべきだ」 (中略)

一部韓国人の間では、利益を海外移転する外資系企業への根深い不信感があり、GMのような米国企業への支援はとりわけ論争の的となる。
(引用ここまで)

 韓国GM問題をざっくりと、かつ適切に書けている記事なのでピックアップ。
 延々と業績を悪化させてきた韓国GMがここに至って取れる手段はふたつ。

1)公的資金援助を受け、人件費を減らし、事業を継続させる。
2)すべて事業を畳んで清算。韓国から撤退。

 どちらにしてもムン・ジェインにとっては大打撃。
 なにしろ「雇用大統領」様ですからね。若年層がこぞってムン・ジェインに票を入れ、当選への大きな要因になったのが「この状況をなんとかしてくれる」という最後の期待を寄せていたから。
 まあ、じわじわとそれを裏切りつつあるというのが実際ではありますが。

 大宇造船海洋には多額の公的支援をしておきながら、韓国GMには渋いというのは理由がありまして。
 韓国では根本的に国外企業への不信感というものがあるのですよ。
 ローンスターによる韓国外換銀行株売買でもそうなのですが。
 通貨危機で割安になった株を一気に入手して役員を送り込み、業績を改善させて「さあ、売るぞ!」ってなったら「外国企業が我々を搾取しやがった!」という扱いになる。

 ファミリーマートもCUにコンビニの運営ノウハウを伝えて、成長路線に乗せたところで「韓国の業界1位企業の我々が日本の3位企業に教わることはない」と切られる
 Web都市伝説ですが、本田技研なんかもそうだとされていますね。
 その他、日本企業が円借款に伴う協力でソウルに韓国発の地下鉄を開通させても、誰も開業セレモニーに招かれなかった……このあたりは日本への「恨」も入っているのでまた変わってくるか。
 韓国がIMF管理下に転落した引き金を引いたのは日本の民間銀行のせいっていうのも、日本に対する恨と外国企業への不信感がない交ぜになった結果、出てきた都市伝説でしょうね。

 ま、斯様に韓国では外国企業に関して不振が根深いのです。
 ですが、事業清算されれば直接雇用で1万人規模、下請け企業も含めれば10万人規模の雇用に影響があるのは間違いなし。
 さあ、雇用大統領の神の一手はいかに?
 ちなみに通貨危機からこっち、韓国国内に新しい自動車工場は1件も建設されておらず、自動車企業が建てる工場はすべて海外。もっとも新しいものが韓国GMが閉鎖しようとしている群山工場なのでした。
 労使問題が原因ですよね……。