ビクター・チャ氏の落馬に続きジョセフ・ユン氏も辞任へ…米から消える北朝鮮対話論者(中央日報)
米国務省6カ国協議代表のジョセフ・ユン氏が今週後半に北朝鮮担当特別代表職から退く。

韓国系で国務省内の代表的な対話論者だったユン氏の辞任で今後の米朝会談推進にも相当な影響がある見通しだ。

ユン氏は26日(現地時間)、CNNに「この時点で引退することを決めたのは全面的に私自身の決定」としながら「レックス・ティラーソン国務長官が残念だと言いながら私の辞任を承認した」と述べた。

ユン氏はこの日報道が出た後、韓国メディアとのインタビューで「トランプ政権と政策的な違いがあって離れるのではない」とし「南北対話もうまく進んでいて、北米対話も始まろうかという時になったので、担当者を変えるのもよいのではないかと考えた」と強調した。だが「トランプ大統領に近い方、近くで仕事をしている方が代表をされたらどうだろうかと考えた」と述べ、含みをもたせた。ユン氏はまた「米朝対話に対し、非常に希望的に見ていて〔韓半島(朝鮮半島)状況を〕楽観的に見ている」と付け加えた。 (中略)

ユン氏の辞任について、北朝鮮への対応をめぐるホワイトハウス国家安保会議(NSC)との葛藤を主な理由に挙げる分析もある。

北朝鮮強硬対応を主導するハーバート・マクマスターNSC大統領補佐官(国家安全保障担当)ラインが対話論を展開するユン氏を徹底的にけん制し、排除したことに伴うものだという指摘だ。実際、NSC内部ではユン氏を指して「ドリーマー(dreamer、夢見る人)」と呼ぶこともあった。特に、ユン氏の「北朝鮮が60日以上ミサイル挑発をしない場合、米国と北朝鮮間の対話開始のための信号になりうる」といういわゆる「60日プラン」は国務省とNSCの対立の谷を深くした。日本などもユン氏に対する拒否感を露骨に表わしたりした。 (中略)

ビクター・チャ駐韓米国大使の内定人事が北朝鮮強硬論を展開するNSCのけん制で撤回されたことに続き、ユン氏の辞退も重なり、ドナルド・トランプ政府で北朝鮮対話論が萎縮するのではないかとの声が上がっている。
(引用ここまで)
 駐韓大使として内定どころかアグレマンの承認までしていたビクター・チャ氏の就任も取りやめ。
 理由はおそらく北朝鮮との開戦に反対していたから
 同じく韓国系アメリカ人のジョセフ・ユン氏も国務省からリタイヤ。六カ国協議のアメリカ主席代表であったことからも分かるように、東アジアの専任者といってもいい人物でした。
 ワームビア氏解放のために北朝鮮を訪問していた人で、つい先日も来日して日本のアジア大洋州局長と北朝鮮対策を話し合っていましたね。

 ロイターによると米CBSのインタビューに対して「北朝鮮は核・ミサイル実験をやめた」と発言したとのこと。なにを根拠にそんな話をしているのやら……。
 何度かアメリカメディアで遡上に出ている「60日プラン」の提唱者でもあったのですね。
 「北朝鮮が60日、核・ミサイルの実験をしなかったらそれは対話へのシグナルだ」という。
 これ、前からナンセンスだと思っていたのですが、この人だったか。うーん……。

 アメリカの対北朝鮮政策グループに対話優先派というのがいたとして。
 その肩身が狭くなっているのは間違いない。なぜなら北朝鮮は絶対に「非核化」を前提にした交渉には出てこないから。
 そしてアメリカは交渉の前提から「非核化」を外すことは絶対にない。
 先日書いたように、先進国は核兵器のカジュアル化を阻止するためにもこの条件を外すことはないでしょう。「対話」はあっても「交渉」はない。

 という視点から見るとジョセフ・ユン氏のリタイヤも必然かな、という感じです。アメリカの「外堀」は埋まっているってところかな……。

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2015/4/23