【社説】「核保有国として対話」北高官発言を隠蔽した韓国政府の背信(朝鮮日報)
 平昌オリンピックのときに韓国へやって来た北朝鮮の高官級代表団が「核保有国の地位を持って米国と対話したい」と発言していたことが1日までに分かった。統一部(省に相当。以下同じ)長官と外交部次官が2月28日、与党民主党に明かした内容だ。これは、北朝鮮が習慣的に行ってきた主張と同じものではない。北朝鮮の核問題の決定的な山場において、非核化の意思はない、非核化対話はしないというのだ。重大な発言だ。北朝鮮は「予定通り韓米合同軍事演習が行われたら受け入れられない」とも主張したという。ところが、そうした事実がメディアに報じられて民主党の出席者らも認めたのに、韓国政府は1日も終始口を閉ざした。韓国国民の安全が懸かった重大事案を、民主党は知っていてもよく、韓国国民は知らずにいるべきなのか。

 韓国政府はこれまで「北朝鮮と非核化関連の対話を行った」「北朝鮮が米朝対話の意思を表明した」といった形で、前後の脈絡を省いて断片的内容だけを流していた。しかし、韓国政府が与党議員にのみ伝えた一部の発言だけを見ても、これまで事実上韓国国民の目から隠されてきたものと分かる。「非核化対話があった」というのと、「非核化の話はしたが、北朝鮮は核保有国の地位を認めなければ米国と対話しないと言った」というのでは完全に正反対で、天と地ほどの差がある。現政権は、後半の部分を省いて伝えた。国民を欺く行為ではないか。あたかも、北朝鮮が非核化対話の意思を持っているかのごとく、対話が進展しているかのごとく見えるように、偽りのショーをやったのではないか。
(引用ここまで)

 昼前のエントリで書いたもうひとつの焦点。
 それは「果たして韓国政府が本当のことを語るのか」ということなのですね。
 韓国政府によるプレスリリースがまったく当てにならないことは何度も書いてきていますが、今回のキム・ヨンチョルとの対話でも同様のことが起きていました。

 韓国政府による「北朝鮮は『アメリカと対話の用意がある』との話をしてきた」と報じられてきたものは、「我々は核保有国の地位を持ってであればアメリカとの対話をしてもいい」だったというのが事実だったのですね。
 韓国政府、大統領府がどのように世論を誘導したいか丸わかりな事例です。
 発言の一部をくり抜いて本来の意図とは逆の話を流布する。

 これを今回もやらない理由がない。
 少なくとも北朝鮮の時間稼ぎには貢献できる手段です。
 
 明入りを豊臣秀吉に対して朝鮮通信使が送られた際にも正使と副使がそれぞれ属する党派がいがみあっていたためにそれぞれが正反対の報告をし、「日本に朝鮮侵略の意向はない」とした副使側の意見が採用されたなんてことがありました。
 そんな政争が再現される可能性があるのですよ。
 問題はムン・ジェイン政権はそれを北朝鮮のためになると思ってやりかねないのですが、むしろ戦争の危機を助長しているっていうことくらいなものですか。

戦争にチャンスを与えよ (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2017/4/20