米朝首脳会談は北側の「勝利」 専門家らが警鐘(AFPBB)
米国と北朝鮮が首脳会談の開催で合意したことについて、専門家らは、北朝鮮が外交経験の浅いドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に勝利した形であり、北朝鮮側には核兵器を手放す意思はないと指摘している。

 トランプ大統領は、金正恩(Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長との会談を歓迎し、非核化に向けた「大いなる進歩」だとの見解を示している。しかし専門家らは、これほどまで早い段階で対話開始に合意したことにより、対価として意味のある譲歩を引き出さないまま、北朝鮮側が切望する状況が生まれると警告している。

 米ミドルバリー国際学研究所(Middlebury Institute of International Studies)の軍縮専門家、ジェフリー・ルイス(Jeffrey Lewis)氏は、「北朝鮮は20年以上にわたり米国大統領との首脳会談を目指してきた」と指摘。北朝鮮にとって米朝首脳会談は「まさに対外政策における最大の目標」だと述べた。 (中略)

 専門家らは、北朝鮮政府が首脳会談を提案した要因として、同国に対する経済制裁強化の影響が現れようとしていることや、トランプ政権が繰り返し軍事行動を警告していることを挙げている。

 北朝鮮情勢に関するコンサルティングを提供する企業「朝鮮リスクグループ(Korea Risk Group)」のアンドレイ・ランコフ(Andrei Lankov)氏はAFPに対し、北朝鮮は最大の貿易相手国である中国から過去に類のない「実に厳しい制裁」を科されていると説明。北朝鮮経済は1年以内に「崩壊を始める」見通しだとしている。

 さらにランコフ氏は、「より重要な要因は、米国が軍事行動を起こす可能性への懸念だ」とし、「北朝鮮は撃たれることを望んでいない」と述べた。だが一方で、北朝鮮政府はできる限り時間稼ぎをするとも指摘。同国は「非核化について多くを口にするだろうが、核兵器を差し出すつもりなどない」との見方を示した。
(引用ここまで)

 日米問わず、「米朝首脳会談にまで持ち込めたのは北朝鮮の勝利だ」というろ論調が多いように感じますね。
 あ、韓国はまた別で「ムン・ジェイン大統領の勝利だ」という論調なので、参考にはなりません。

 ただ、米朝で会談があるというのは「非核化」を前提としているからなのです。
 楽韓Webでも何度も書いていることですが、この「非核化」という視点に立つと米朝会談こそが死刑台へのステップに他ならないのですよ。
 北朝鮮は絶対に核兵器を手放しません。あり得ない選択です。
 では、アメリカがICBMの破棄や開発中止で満足するかといったら、それもあり得ません。9・11の拡大再生産につながりかねない選択肢です。
 会談をするということは、その差異を白日の下に浮き上がらせるということです。

 去年の年末にティラーソン国務長官からの「無条件で対話をしよう。なんだったら天気の話でもかまわない」と呼びかけがあったときにも同じように語りましたが。
 会談があり、認識の違いがさらされたら終わりなのです。
 北朝鮮が検証可能かつ不可逆な非核化に合意するか、アメリカが核拡散につながりかねない北朝鮮の核保有を認めるか。
 この段に至っては「非核化を前提とした会談のキャンセル」ですら致命的になるのではないかと感じます。

 とりあえず現状は「制裁と圧力の結果、引きこもっていた北朝鮮が前に出ざるを得ない状況に追い込んだ」だと思うのですけどね。
 そもそもが端緒も端緒。まだはじまってすらいない中で買ったの負けたの言ってもしょうがない。5月になにがあるのか見守りましょうか。

米朝十八番
桂米朝
ユニバーサル ミュージック
2015/6/10