米朝首脳会談 発表時の奇妙な光景(BBC)
会見の光景は、かなり奇妙なものだった。3人の韓国人、鄭国家安保室長、徐薫(ソ・フン)国家情報院院長、趙潤済(チョ・ユンジェ)駐米大使は、肩が触れ合うほど近くに立ち、ホワイトハウス西棟前で彼らを取り囲んだ熱心な記者たちに向かって話した。

米高官が全く姿を見せないなか、米朝首脳会談という外交イニシアティブの全てが韓国に委ねられた。 (中略)

鄭氏の声明は、楽観的な定型文で締めくくられたが、しかし、米国との同盟に対するいかなる肯定も直接的に含まなかったのが目立つ。米国は「パートナーたち」と一括りにされた。興味深いことに、鄭氏は金正恩氏の「言葉」を引用している。今後実現するはずの外交的躍進に関する北朝鮮の言葉はすべて、韓国を通じてもたらされているにもかかわらずだ。

今回の発表が意義深いのは間違いなく、トランプ氏と金氏の首脳会談は歴史書を生むだろう。しかし、北朝鮮が確約したと、韓国が米国に保証したことを、実際に北朝鮮が確約したのか、そして、米政府が北朝鮮政府と生産的な外交プロセスに臨む準備ができているかは、全く明確でない。
(引用ここまで)

 うちも今回の特使訪朝から特使によるアメリカへの報告、そして米朝首脳会談開催の発表に対して「なんかこう……気持ち悪い」という感触を抱いていて、うまく飲み込めない感覚を持っていたのです。
 それをうまく文章化している感じですね。
 著者のアンキット・パンダ氏は楽韓Webでも何度か取り上げているアジア専門メディアのザ・ディプロマットのシニアエディター。

 韓国政府の高官が「キム・ジョンウンのお言葉である」として、いろいろな発表をしている風景そのものが異様なのです。
 しかも親書すらなしに。
 そして、その米朝首脳会談が物別れに終わった際の、危険性をまったく理解していない楽天的な物言いについても、違和感を感じています。

 首脳会談までして非核化に結論が出せなかったら、トランプがどうするのか……まったく予想がつきません。
 閣内にも東アジアの専門家がいないっぽいですしね。
 韓国では「これで朝鮮半島には平和が訪れる。それを主導したのはムン・ジェイン。外交大統領!」みたいな話にあふれているのですが。
 それも含めて、なんというかこう……気持ち悪い。
 引用した記事の最後の段落にあるように、本当になんかこう「明確ではない」のですよ。
 米朝首脳会談が発表されたことで、むしろ先行きの不透明さが増したって感触です。

戦争にチャンスを与えよ (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2017/4/20