韓国が"5G五輪"の虚報を流す切実な背景(プレジデントオンライン)
連日、熱戦に沸いた平昌(ピョンチャン)冬季五輪が終わってしまった。しかし、終わらないレースが1つ存在する。それが「5G」の戦いだ。ピョンチャン五輪は、通信業界では「5Gオリンピック」と呼ばれていた。この大会で、「5G」という通信方式の実証サービスが世界で初めて行われたからである。 (中略)

「5G」での通信を実利用するのは、ピョンチャン五輪が世界で最初だ。だがこれは、今後、世界統一規格としてまとめられる「5G」とは、少々異なるもので、「ピョンチャン5G」と呼ばれている。規格の統一を待たず、フライングで公開実験を行っているわけだ。なぜそこまで急ぐのか。韓国勢は五輪という場で、5Gというプラットフォームをいち早く公開し、自分たちの先進性をアピールする狙いがあるのだろう。私はそこでなにが実現されるのかが気になっていた。(中略)

とにかく五輪の観光客は、どこにいっても「5G」というキーワードを目にしたはずだ。どれだけ一般の人に5Gの意味が伝わっているか不明だが、勢いだけは感じる。(中略)

カンヌンとソウルのKTパビリオン、カンヌン駅のICTプラザでは、サムスンの5G端末が用意され、こうした映像手法を体験できるようになっていた。

だが、現地で映像手法を体験した私には、ふと疑問がよぎった。

「こうした映像は、本当に新しいのか。5Gである意味はどこにあるのか?」

私が期待していたのは、モバイル端末で、リアルタイムに、しかもUHD(4K・8K)の映像を見ることができるという点だった。ところが多くのデモは、録画映像でリアルタイムではない。結局、リアルタイム映像はテレビで見ることが前提になっていた。 (中略)

ピョンチャン五輪では印象的なパフォーマンスもあった。たとえば開会式には半導体大手のインテルが1218台同時のドローン飛行を行った。これまでの最大数は500台で、一気に2倍以上のドローン編隊を実現したのだ。韓国の三大紙のひとつ「東亜日報」は、これが5Gによるものとして、<インテル側は、「KTの5Gネットワークのおかげで、1000機以上のドローンをリアルタイムで制御することができた」と明らかにした>(東亜日報「5Gモバイル、VR、IoT、1200機のドローンショー…平昌五輪を支える先進のICT技術」2018年2月12日)と報じている。

ところが当日は通信不良のためにドローン編隊は飛び立てず、世界に報じられた開会式の映像はリハーサル映像を合成したものだった。しかも筆者がインテルに問い合わせたところ「平昌冬季オリンピック大会開会式で公開されたギネス記録のインテル ドローン ライトショーにつきましては、ドローンの運用に5Gは使用しておらず、KTの関与はございません」との回答があった。東亜日報の報道は事実誤認に基づくものだといえる。 (中略)

未来は「見える人」と「見えない人」がいる。5Gのもたらす未来は、私には見えなかったが、見える人もいるのだろう。
(引用ここまで)

 今日は1本、朝のエントリをボツにしました……。北朝鮮絡みの話は自ずと外交の話になっているので、誤読があったりするのです。イギリス英語はホントに読みにくいわ。アメリカのメディアの記事はさらっと読めるのに、特にテレグラフとかタイムズの記事になると単語を確認することがかなり多くなりますね。

 さて、平昌冬季オリンピックでは携帯電話の5G(第5世代)の実証実験をすると大々的に語られていました。
 画像は光化門広場の横にあるKT(日本でいえばNTTドコモ)本社に貼られていた垂れ幕。
 右下には「世界初5G」と書かれています。5Gだけ鮮やかなオレンジですね。力のいれようが分かるというものです。

 で、平昌現地では5Gの実地体験ができるということでさまざまなレポートがあったのですが、基本的にはどれも「……5G?」と首をひねるようなものだったとのこと。
 やっていることは「高速になったLTE」以外のなにものでもないということなのでしょう。
 KTとしてはともあれ実証実験を行って5Gを先導した、という実績を作りたかったのでしょう。

 まあ、高速通信前提のコンテンツ作りというのは実はけっこう難しかったりするのですけどね。LTEになったときはちょうどスマートフォンへと切り替わった時期に重なっていたので、動画等のいわゆるリッチコンテンツを楽しめるようになったという分かりやすい変化がありましたが。

 それにしても「ドローンでアニメーションを描いたのは韓国の5Gの威力」とか言っていたのに、全部嘘だったとは……。ドローンによるアニメーション自体も映像の魅力としてはいまひとつと感じました。
 当日、通信障害で飛び立てなくて去年12月のリハーサル映像だったとのこと。

 わざわざ「これ5Gなんです、すごいでしょ」って言わなくちゃいけないようなものであってはダメだ、ということなのでしょうね。

すべてわかる 5G大全2017
日経コミュニケーション / テレコムインサイド
日経BP社
2016/11/15