トランプ、ティラーソン国務長官を更迭 後任に強硬派ポンペオCIA長官(ニューズウィーク)
トランプ米大統領は13日、ティラーソン国務長官を更迭し、後任にポンペオ中央情報局(CIA)長官を充てると発表した。

トランプ、ティラーソン両氏の間で、北朝鮮やロシア、イラン政策を巡って意見の食い違いが表面化していた。 (中略)

ホワイトハウス高官によると、トランプ氏は金委員長との会談前に自身の新しいチームを整えたかったという。 (中略)

評論家は、米朝首脳会談を控える中での国務長官更迭に失望を表明。後任のポンペオ氏がトランプ氏にイラン核合意の破棄を促したり、北朝鮮に強硬姿勢を取るよう勧めたりすることを懸念している。また、今回の更迭でトランプ政権が一層不安定になる可能性があると指摘した。
(引用ここまで)

 レックス・ティラーソンのこの時点での解任はちょっと意外。
 以前から解任されるであろうということは噂されていたので、解任されること自体はそれほどの衝撃ではありませんが。
 米朝首脳会談が発表され、おそらくこれから事務方の折衝が行われるという時点での解任。
 このタイミングが物語ること、そしてその後任が対北強硬派として知られるCIA長官であるマイク・ポンペオであるという点がなかなか興味深いかと。
 CIAといえば、去年12月の時点で「ICBM完成まで残されたのはあと3ヶ月ほど」という報告を出していたところ。

 その組織の長官であった人物が国務長官、すなわち外相に転じて米朝首脳会談を主導するわけですよ。
 メッセージとしては充分です。
 むしろ、この瞬間を狙ってティラーソンの解任をここまで引っ張ってきたのかというくらいに狙いに狙ったタイミング。
 CIAが「ICBM完成まで〜」という報告を上げた時点で「もし、噂されているティラーソン解任後にマイク・ポンペオが就任したら膠着は一段とひどくなる」と論評されていたのですが、事態はそれ以上に進んでしまったというところ。

 国務長官の後任として噂されていた超強硬派のジョン・ボルトンではなかったのですけどね。
 それでも楽韓Webで書いていた「米朝首脳会談は北朝鮮にとっての死刑執行台への階段に他ならない」という話が説得力を持つようになっているのではないでしょうか。
 「対話をしようと試みた。米朝首脳会談を申し込まれたので快諾した。だけども、それでも非核化はできなかったのだ」というエクスキューズができるようになってしまったわけです。
 マイク・ポンペオの就任で実際に米朝首脳会談ができるかどうかまで怪しくなりましたが、それはそれで構わないのですよね。なにしろアメリカ側には「北朝鮮からの申し出を快諾した」という事実は残るのですから。

 他にもマティス国防長官、マヌーチン財務長官らはティラーソンが辞めたときには一緒にやめるという同盟を組んでいるのではないかともされていたのですが。
 こちらにはまだ動きがない模様。
 どちらにせよ夏にかけて東アジアにとって、今世紀前半で最大の正念場がくるというのは間違いありません。

核と戦争のリスク 北朝鮮・アメリカ・日本・中国 動乱の世界情勢を読む (朝日新書)
薮中 三十二 / 佐藤 優
朝日新聞出版
2017/12/13