メニュー価格引き上げに韓国の若者ら悲鳴「外食できない」(朝鮮日報)
 最近、のり巻き店やファストフード店などでメニューの値上げが相次いでいる。記録的寒波で野菜などの原材料価格が上昇しているところに、最低賃金の引き上げが重なったためだ。こうした影響は、懐の寂しい20−30代を主な客層としている飲食店の方が大きい。のり巻きやサンドイッチといった、いわゆる「若者物価」がはね上がっているのだ。「アルバイト代が上がる」と期待していた若者たちも、今は「物価上昇で生活費が赤字だ」と嘆いている。 (中略)

 毎週末に一日5時間ずつカフェでアルバイトをしている就活生ユンさん(26)は最近、ほとんど外食していない。「昼ご飯代が恐ろしい」からだ。のり巻き1本にラポッキ(インスタントラーメン入りのトッポッキ)1皿を頼むと8000ウォン(約800円)。今年に入って最低賃金が時給6470ウォン(約640円)から7530ウォン(約750円)に上昇、ユンさんの給料も約6万ウォン(約6000円)増えた。しかし、先月の食費は昨年より10万−15万ウォン(約1万−1万5000円)増えているそうだ。 (中略)

 ソウル市内の予備校街・鷺梁津でも状況は同じだ。大学生や公務員試験受験生に人気の「カップライス」の値段が引き上げられた。カップライスを出すA社の代表的メニュー「○○カップライス」は今年に入って2900ウォン(約290円)から3300ウォン(約330円)に引き上げられた。ある大学生は「ほかの物の値段が上がっても、カップライスの値段だけは上がらないだろうと信じていたが、その『最後の砦(とりで)』すら崩れたという気がする」と言った。 (中略)

会計士試験の準備をしているキムさん(26)はコンビニ弁当を食べる時、グラム数を確かめて買っている。キムさんは「普通のコンビニ弁当は400−480グラムだが、価格に比べてグラム数が多い弁当を優先して選んでいる」と言った。
(引用ここまで)

 実際に韓国に行ってみればわかることなのですが、物価的にはほとんど日本と変わりありません。
 すべてを最低価格で揃えようとすればかなり低く抑えることも可能だとは思いますが。
 その場合、かなり食卓が貧相なものになるのは間違いないでしょうね。
 そもそも貧しいから当然なのですが。


ロッテマートで辛ラーメンは5個入り3170ウォン(2013年)

 で、最低賃金を上げたせいで年明けから飲食店で値上げが続いているとのこと。
 無人化で対抗したとしても、どうしても人を使わなければならない業種ですから当然ながら影響はあるでしょうね。
 韓国政府は「便乗値上げは徹底的に取り締まる」というような話をしていたのですが。
 たとえば人件費の余波で2.3%の値上げをしなければならない場合、10000ウォンだったものを端数を揃えるために10230ウォンではなく10300ウォンにしたら便乗値上げなのかどうか。
 その他の要因もからんで10500ウォンにしたらどうなのか。

 ま、ムン・ジェイン政権のやっている「所得主導成長」の実際の狙いとしてはこうして最低賃金を上げてかつ物価が上がるというサイクルを作り出し、適度なインフレを起こそうという部分があるのではないかと思うのですが。
 経済成長率が低くなっているために、現金の価値がいくら待っても下がらない。いつまで経っても家計負債の負担が低くならないという原因になっています。
 というわけで一気に賃金を上昇させて経済を底上げすれば……という考えがあると思うのですけどね。

 韓国は日本に遅れて経済成長を成し遂げたので、まだまだそのあたりの二桁成長や低くても7%台の成長率を記録していた高度成長時代の成功体験から離れられないのでしょう。チョンセという韓国独自の家賃風習がまだ残っているのは、その名残ですね。
 これまでの韓国人の体験では「借金は黙っていても軽くなっていくはずのもの」だったのです。
 その再現を狙っている部分があるのでしょう……たぶん。

 ただ、外需主導の国でそんな方法を執ったら工場が海外脱出して終わり。
 そして国内の雇用が細るけども、物価は上がるという最悪な事態が待ち構えているとしか思えないのですが。
 なにか見逃しているパラメータとかあるんですかねー?

お江戸の意外な「モノ」の値段 物価から見える江戸っ子の生活模様 (PHP文庫)
中江 克己
PHP研究所
2003/8/1