李明博元大統領の逮捕状請求 21日にも可否審査=韓国(聯合ニュース)
文大統領ノーベル平和賞推進委員会結成へ…トランプ・金正恩の共同受賞も推進(中央日報)
巨額の収賄など李明博(イ・ミョンバク)元大統領の在職中(2008〜13年)の疑惑について捜査している韓国の検察は19日、収賄容疑などで李氏の逮捕状を請求した。大統領経験者で逮捕状を請求されたのは全斗煥(チョン・ドゥファン)氏、盧泰愚(ノ・テウ)氏、朴槿恵(パク・クネ)氏(公判中)に次ぎ4人目。逮捕状が発付されれば、大統領経験者が同時期に2人収監されることになる。 (中略)

 収賄が疑われる金額は、大統領在任中に情報機関の国家情報院(国情院)が青瓦台(大統領府)に上納した資金やサムスングループが肩代わりした自動車部品メーカー「ダース」の訴訟費用など、110億ウォン(約11億円)台に上る。

 また350億ウォンに上る裏金作りなどさまざまな疑惑が取り沙汰される「ダース」について、検察は李氏の実兄が会長だが、実質的な所有者は李氏であると判断した。

 逮捕状の請求について、検察は李氏の収賄容疑の額だけで100億ウォン台に達するなど事案が重大なことや、客観的な物証があるにもかかわらず、李氏がほとんどの疑惑を否認しているほか、関係者の取り込みなど証拠隠滅の恐れがあること、李政権時代に国情院の資金を受け取った金伯駿(キム・ベクジュン)元青瓦台総務企画官が逮捕され、その件の主犯とされる李氏の逮捕状を請求しないのは公平性に欠けることなどを考慮したという。
(引用ここまで)
大韓民国職能フォーラムは20日、職能フォーラムの会長団など30人余りが集まり「文在寅大統領ノーベル平和賞推進委員会」を結成し、初めての発起人会議を行う予定だと19日、明らかにした。彼らは5月8日、国会憲政記念館で文大統領就任1周年記念式を開催して推進委創立大会を行う。

彼らは文在寅大統領をノーベル平和賞に推薦する一方、ドナルド・トランプ米大統領、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長など3人共同受賞も共に推進すると明らかにした。

職能フォーラムのチョン・イルボン常任会長は「北朝鮮の核実験と弾道ミサイル発射で差し迫った韓半島(朝鮮半島)の戦争危機を文大統領の積極的な仲裁で対話局面に導いた」とし「平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)の成功的開催と女子アイスホッケー合同チームの成功で人類の普遍的価値である平和の大切さを全世界に発信した」として推進委発足の趣旨を説明した。
(引用ここまで)

 現大統領は国民(の一部)が集まって「ノーベル平和賞候補だ!」と称える。
 その一方で元大統領には逮捕状請求となる。
 コントラストが面白い。

 ムン・ジェイン支持派はなにかといっては「ムン・ジェインにノーベル平和賞を!」って話をするのですよ。ろうそくデモを主導したからとかいう話でもありましたし。
 ムン・ジェイン本人も「韓国人はノーベル平和賞に相当する」みたいな薄らぼけたコメントをしていましたっけ。
 このノーベル平和賞を希求していることには、ひとつの大きな要因があるのではないかと思われます。

 今回、イ・ミョンバクへ逮捕状請求が行われました。
 全斗煥以降の大統領で退任後に逮捕状が発行されなかった大統領は3人います。金泳三と金大中、そしてノ・ムヒョン。
 金泳三は国をIMF管理下にたたき落としたということで評価は散々。いまでも「国を売った」だのなんだの言われています。
 ノ・ムヒョンは「逮捕状の発行」こそされませんでしたが、その寸前に自死を選んだというだけ。

 唯一、まともな晩年を過ごすことができたのは金大中くらいなものですが、これはノーベル平和賞を受賞したことと無関係ではないでしょう(参考エントリ:韓国の金大中ノーベル平和賞記念館に行ってみた結果)。
 とはいえ、金大中は大統領就任以前の人生が波瀾万丈すぎて、晩年を静かに過ごせたと言ってもプラスマイナスゼロくらいの感じですけども。 

 というわけで、ムン・ジェインはいまから退任後の保険作りをしているともいえるでしょう。
 後に覆せないくらいの実績を積み上げることができれば、退任後も安泰だということです。おそらく退任後の8年は革新政権が継続するでしょうが、その後はまだ分からない。
 がんばって保守側を殲滅することで報復すらできないようにしていますが、どうなるかは分からないのが実際。
 そういう意味においてノーベル平和賞があれば、退任後も安全だと考えている……少なくともそういう側面があるのは間違いないと思います。

 候補となる理由として挙げられている「朝鮮半島を戦争危機から対話局面に導いた」っていうのは、大きく揺り戻す可能性があると思いますけどね。

韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌 (中公新書)
木村幹
中央公論新社
2008/8/25