【中央時評】文在寅経済ブレーンたちの錯覚(中央日報)
ところでエヌビディア、インテル、グーグル、アップル、テスラなどを抜き最近恐ろしいほど伸びている企業がある。まさにGMだ。最近の調査では自動運転総合1位まで占めた。GMが自動運転と電気自動車に惜しみなく資金を注いでいるためだ。

韓国GMが崖っぷちに追いやられた秘密もここにある。GMのグローバル経営戦略がすべて変わったのだ。いま韓国政府は人員削減を防ぐために公的資金まで投じて引き留めようとする立場だ。だが文在寅(ムン・ジェイン)経済ブレーンの錯覚だ。このまま行けば群山工場閉鎖で終わることではない。労組の賃金削減やGMの経営戦略が完全に変わらない限りGMの韓国撤退は時間の問題と変わらない。

こうした認識の誤りは文在寅政権の「青年雇用」事業でも同じだ。今回の青年失業対策も中小企業就職者に1000万ウォンを支援し、青年創業に税金を免除することが柱だ。政府が依然として「青年創業」に頼っているのだ。その背景には大学を中退したビル・ゲイツ、大学生・大学院生が集まって作ったフェイスブックとグーグルの成功神話がある。だが幻想だけのことだ。米国のカウフマン財団が技術ベンチャー652社を調査した結果、米国でも35〜44歳の創業が45%で最も多かった。それから25〜34歳の創業が26%、45〜54歳が18%だった。大学を卒業して平均12年以上社会生活をしていたと調査された。一言で米国も20代のベンチャーは珍しく、学校を出て十分な経験を積んでから創業するのが大勢だ。

韓国もいまや無差別的な青年創業より、大企業の社内ベンチャーや大企業からのスピンオフに関心を傾けるのがはるかに現実的にみえる。 (中略)

もう青瓦台(チョンワデ、大統領府)の経済ラインはこれまでいかに多くの認識の誤りを犯したのか振り返る必要がある。GMが経営資源を電気自動車と自動運転に集中する間に群山工場はなぜ構造調整をおろそかにしたのか、米国のグーグルやフェイスブック成功神話に惹かれ韓国の青年たちまで危険千万な無差別的な創業に強く押し出さなかったかということだ。誤った現実診断は誤った処方を生む。フォーブスなど外信もこのところ「政治と外交は卓越しているが誤った経済政策が韓国の未来を危うくする」と指摘している。
(引用ここまで)

 ムン・ジェイン政権の経済政策についての苦言。
 最低賃金上昇については扱うまでもなく誤り認定ってことなんでしょうね。
 というか、この「青年雇用対策」が出て本当にあきれまして。
 もはや雇用創出を諦めて、自分で勝手に起業してくれれば補助金出すからという方針。

 ムン・ジェインの「雇用創出は民間の仕事ではない」という発言がありましたが、どうやら公的機関の仕事でもなかった模様。
 一応、20-30代の起業がブームになってはいるのですよ、韓国で。
 でも、それはあくまでも「失業率が上がっていて就職できない」のでやむなくコンビニのオーナーになっているというような構造のもの。
 起業したくてやっているわけでもないのですよ。40代以降に「名誉退職」して、自営業やってる(やりたいわけではない)のとなんら変わらないですからね。
 起業するにしたって、大半の場合で就職した体験が役に立たないはずがない。

 もうひとつの「中小企業に就職したら100万円!」もホントにひどい……。
 韓国の大企業と中小企業の賃金格差は4倍ともされています。それを1000万ウォン出すから中小企業に入れとか。
 そういった経済構造自体を変革するのがムン・ジェイン政権に期待されているもののはずなのですが。
 まあ、そんな能力はもとよりないのだからしかたがない。

世界と日本経済30のデタラメ (幻冬舎新書)
東谷暁
幻冬舎
2008/11/26