起こるべくして起こった韓国リサイクルごみ未回収問題(朝鮮日報)
韓経:【取材手帳】日本にはない韓国の「リサイクルゴミ大乱」(中央日報)
 中国政府は、昨年7月に廃棄物資源の禁輸措置を発表したのに続き、今年1月にはこれを実行に移した。韓国国内の「プラスチック回収大乱」は9カ月前に十分予告されていて、3カ月前からは実際に赤信号がともっていたということになる。リサイクル業者らは、中国政府の禁輸措置発表以降、韓国政府に「対策を整備してほしい」と繰り返し要請したが、いつも相手にされなかった。

 リサイクル業関係者は「韓国もリサイクル用廃棄物の25%程度を中国に輸出しており、昨年7月と今年1月に政府へ対策の整備を求めたが、受け入れられなかった。韓国政府と自治体は、互いに責任をなすり付けていた」と主張した。結局リサイクル業者らは、3月下旬に「4月から廃ビニールと廃プラスチックを回収しない」として実力行使に入った。ソウルをはじめとする首都圏地域のマンションなどを中心に、回収されないプラスチックが積み上がる事態が発生したのは、こうした環境部の「無神経」が原因だった。 (中略)

 環境部が2日に出した対策には実効性がない、という指摘も既になされている。プラスチックを回収・選別するある業者の関係者は「一時的に支援金をちょっと上げるという政府の発表は、根本対策とは言えない」と語った。
(引用ここまで)
日本特派員として赴任した当時、生活ゴミ処理問題で慌てた記憶が今でも鮮やかに蘇る。韓国のアパートに該当する日本のマンションの生活ゴミ収集所には「可燃ごみ」と「不燃ごみ」の表示だけがぽつんとあった。ヨーグルトの入れ物やプラスチック素材の弁当ケース、各種ビニール類と紙牛乳パックをどのように処理するべきか、生ゴミはどこに捨てるのかをめぐり、しばらく隣人の様子を伺う日々が続いた。

韓国で分別して出す生活ゴミの大部分が日本では「可燃ごみ」に分類されて焼却処理される。初めは日本社会が環境問題に無感覚で制度が後進的だと思った。ところで、こういう日本のゴミ処理システムを振り返るきっかけになったのが、最近韓国で起こっている「リサイクルゴミ大乱」事態だ。 (中略)

日本の生活ゴミリサイクル政策が欠点が全くない「理想的な対策」ということはできない。だが、韓国よりは合理的・効率的だという点を否定するのは難しい。過度に細分化されている高費用・低効率の韓国ゴミリサイクルシステムを、この際、再検討してもらえればと思う。
(引用ここまで)

 韓国でリサイクル業者が廃プラスチック類、廃ビニール類を回収しないという実力行使に出て、韓国がゴミにあふれているという状況になっているのですが。
 廃プラスチックに関しては中国が輸入をやめたことが最大の原因。
 そして廃ビニールに関してはムン・ジェイン政権のキャンペーンである「キレイナ韓国」に従って、廃ビニール由来の固形燃料を「PM2.5が多く出る」ということで取りやめているからだぶつき。

 というわけで、もはやどうにもできなくなって回収業者がボイコットをしている、という状況なのだそうですよ。
 事前にこうなるであろうことは充分に予測できたいたはずなのだけども、なんでこんなことに……という話で韓国経済新聞の東京特派員記者は「こっちでは比較的合理的なやりかたになっている」というアレをやっています。
 まあ、実際には炉がどれだけ高性能であるかにもよったりするし、自治体の方針にもよるので「日本はこうだ」とは一概に言えないのですけどね。
 東京都内の区でも違っていたりしますから。

 さて、今回の「ゴミ大乱」で特に問題なのは「中国が廃プラスチックの輸入をやめる」って宣言してから充分な時間があったにも関わらず、なんの対応もせずに実際にパンクしてから対策をはじめるっていうところですかね。
 その対策も「リサイクル業者に補助金を与える」というもので、根本的なものではない。
 ちょうど最低賃金を上昇させるのに雇用人数が30人未満の中小企業には補助金を与えるっていうのと同じ。
 それ以外のことができないんですかね、この政権は。まあ、実際にできていないのですが。

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杉本 裕明
岩波書店
2015/7/22