文大統領「積弊清算、中下位公職者に不利益を与えるべきでない」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日、部処別に構成された積弊清算タスクフォース(TF、作業部会)の活動に関連し「政策決定権者らに対しては責任を問う場合があるかもしれないが、当時の政府の方針に従ったにすぎない中下位職の公職者に対しては不利益を与えてはいけない」と述べた。

文大統領はこの日午前、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で開いた国務会議で「各部処は公職社会が過度に不安を感じないよう留意してほしい」とし、このように明らかにした。文在寅政権の積弊清算フレームで公務員社会が委縮する雰囲気が強まるのを懸念した発言だ。 (中略)

文大統領は「部処別の積弊清算TFが調査結果を発表する過程でやや混乱があった」とし「国民はTFの勧告を政府の立場と認識しがちであるため、それによる混乱が生じないよう格別の注意をしてほしい」と話した。最近、教育部の歴史教科書国定化真相調査委員会が調査結果の発表過程で捜査依頼勧告対象を誤って発表したことで混乱が生じた事例を念頭に置いた発言とみられる。
(引用ここまで)

 旧政権下で教科書編纂に関わった官僚は逮捕されるべきだという積弊清算タスクフォースの報告に対して、ムン・ジェインは「そんなことをする必要はない」と言い出しました。
 おや、これではまるでムン・ジェインが「積弊と名が付けばなんでも取り締まる悪い役人を諫める物分かりのいい大統領」のようではないですか。
 さすが就任から1年になろうというのに、いまだに70%という過去最高の支持率を誇る大統領ですね。
 ……なんて言うと思ったら大間違い。

 これ、いわゆる「ファイア&アイス」ってヤツですね。
 いい警官と悪い警官ってアレ。
 取り調べで苛烈に「おまえがやったんだろ!」って言ってくる役と、「まあまあ」って言って物分かりのいい役っていう組み合わせで自白を狙うという。

 教科書編纂に携わった官僚に向けて「積弊清算の美名の下であれば、なんでもできる」とアピール効果自体はもはや充分。
 そして、「それはよろしくない」とコメントしたムン・ジェインの「懐が深い人物」と見せかける戦略。
 こういう人心掌握術ばっかり長けてますね。経済政策はまるでダメなわりには。

ブラック・ダリア (文春文庫)
ジェイムズ・エルロイ
文藝春秋
1994/3/10