韓国、空気圧バルブの反ダンピング紛争WTO1審で日本に「判定勝ち」(中央日報)
韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置がWTO協定違反と判断されました〜WTO紛争処理小委員会報告書が公表されました〜(経済産業省)
DS504: Korea — Anti-Dumping Duties on Pneumatic Valves from Japan(WTO・英語)

 韓国メディアは日韓間の空気圧バルブにおけるアンチダンピング紛争で「韓国が実質的な勝利を遂げた」と書いています。
 その一方で日本のメディア、および経産省は「日本の訴えが認められた」と書いています。
 まあ、こういうときは一次資料であるWTOを見てみるのが一番でしょう。

 というわけでネット上に公開されているWTOの報告書を、昼ぐらいから延々と読んでいました。
 結論としては韓国側の「実質的勝利」っていうのはまったくもってウソ。
As a consequence of and to the extent of these inconsistencies, Korea's anti-dumping measures on imports of pneumatic valves from Japan were also inconsistent with Article 1 of the Anti-Dumping Agreement.
(引用ここまで)

 最後の最後に結論が書かれていたので、ここだけ読んでもよかった……。
 「日本から輸入された空気バブル装置への韓国のアンチダンピング措置はアンチダンピング協定に整合しない」と判断されています。
 たしかにいくつかのアンチダンピング協定については日本の主張が認められない、もしくはパネル設置の範囲外であるために判断しないとされています。
 ですが、最終判断はここ。

 今回の報道は「韓国の産業通商資源部によると」というもので、韓国メディアはWTOの裁定を見ていないようです。

空気圧バルブWTOの紛争... 韓国、日本に争点の13個中10個で勝利(イーデイリー・朝鮮語)
13日、産業通商資源部によると、WTO紛争解決機関(DSB)パネルは、12日(現地時間)、韓国が下した日本産空気圧バルブの反ダンピング関税はWTOアンチダンピング協定合致するというレポートをWTO加盟国に公開した。WTOパネルは、ほとんどの争点(13争点のうち10個で)で韓国の貿易委員会の各種調査がWTOアンチダンピング協定に合致する方法で実施されたと判定した。 (中略)

シン・ジョンフン産業通商資源部通商紛争対応課長は「日本が主要な争点を含めて大半の争点で敗訴しただけ上訴をすること有力に見ている」とし「韓国も一部敗訴した争点について上訴を提起して対応する」とと述べた。
(引用ここまで・太字引用者)

 さらにいうとWTOを見たらしい韓国SBSは「韓国が敗訴した」と報じています。

韓国、空気圧バルブWTO反ダンピング紛争日本に敗訴(SBS・朝鮮語)

 思い出すのは日亜工業に敗訴しても「我々が勝利した」とプレスリリースを出したソウル半導体ですね。
 ちなみに今回の件で、経産省側は上訴するという意向を見せていませんが、韓国側の通商産業資源部は上訴する気満々のようです。
 「実質的な勝訴」をしているはずなのに、不思議なことですね(笑)。

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岩波書店
1955/11/5