17年ぶりの最悪「雇用ショック」理由は何だろう?(毎日経済・朝鮮語)
統計庁が発表した「2018年3月の雇用動向」を見ると、失業者数は現在の方法で統計の作成を始めた2000年以降、3月における基準最高値の125万7000人に達して三ヶ月連続100万人台を記録した。また、同様に3月の4.5%という失業率も2001年同月の5.1%に続き、17年ぶりの最高値を記録した。先月の失業者数は、昨年3月に比べて12万人かえって増えた。 (中略)

1.最低賃金の急激な上昇。(中略)
実際の最低賃金引き上げに大きな影響を受けるアルバイトなど日雇いと臨時労働者が5カ月連続で減少し、飲食・宿泊業の就業者数は10ヶ月連続で減少した。
最低賃金引き上げに負担を感じた自営業者が雇用を減らすか、さらには完全に廃業する事例が続出しているというのが雇用指標で確認されているのだ。
この結果、就業者の増加幅は2カ月連続で世界的な金融危機以来最悪の水準である10万人台前半にとどまっている。

2.就職準備生の急増(中略)
就職を準備する求職者が70万人(69万6000人)に迫る3月基準で史上最大規模を記録した。公務員試験を受験する就職準備生が急増したことが影響が大きかった。
安定した仕事を探し、中小企業と大企業就職を先送りにして公務員試験だけぶら下がっているのだ。創業は夢のまた夢という、残念な現実である。(中略) ク・ヒョンジュン統計庁雇用統計課長は「最近になって公務員試験を準備する人がますます増え、就職準備者引き続き増加している」と説明した。

3.実質青年失業率が増加した
数値で示された失業率よりも体感失業率はさらに深刻な状況となっている。体感失業率を示す雇用補助指標3の場合、全体体感失業率は12.2%で前年同月比0.8%P増加した。統計対象ではない非経済活動人口に合わせた15〜29歳の青年層の実質体感失業率(拡張失業率)は24.0%に達している。青年4人に1人の割合で、事実上失業状態にあるものである。国際基準に合わせた公式青年失業率は3月時点で11.6%であった。17年ぶりの最高水準である。

4.レストラン、スーパーマーケットはもはや商売にならない
最低賃金の影響は、経済的弱者により直撃弾になっている。
失業率の増加は就業者数が急減している業種の影響が大きい。最低賃金の影響が大きい宿泊・飲食店での仕事が2万人、大型モールやスーパーマーケットなどの卸・小売業でなんと9万6000人減少した。小商工人たちの主力業種であるという点で、経済的弱者の打撃が大きい。塾も衝撃が大きく、教育サービス業での雇用が7万7000人分も消えた。

5.零細企業の経営者が危機的状況
生計型創業で、経済活動をする自営業者の暮らし向きが難しい。最近10万人を超える零細自営業者が事業を撤退した。3月の自営業の数がなんと4万1000人も減り、一緒に働く無給家族従事者も4万3000人も減少した。
(引用ここまで)

 韓国では3月の失業者数、失業率がけっこうなショックとして波紋を呼んでいます。
 というわけで今回の記事は細かい数字を見て原因を探ってみよう編、ですね。
 自営業、飲食、小売といった職場を直撃していることが見えています。

 年明けからこっち……というか、今年の最低賃金が発表されてからこっちというもの実際にそういった空気を感じていたのでしょうが、それが実際の数字として出たことで再確認できたというべきか。
 本来であれば、最低賃金の上昇でより収入が増えるはずであった、「経済的最下層の労働者」こそが解雇されている。あるいは職場そのものがなくなってしまうという状況になっているのですね。

 サービス業、飲食業、卸小売業といった内需関連の雇用者はほとんどが最低賃金労働者。
 辞めさせられるなり職場が消滅するなりしたら明日の生活に困るような人たちでしょう。
 逆に基本賃金が7530ウォンに満たなかったような正規職が救われているという話。
 ムン・ジェイン政権が「弱者」ではなく「労組」を見ていることがよく分かりますね。

 青年失業率も上昇している。
 15-29歳というILO基準ではない謎の青年層失業率で11.6%。体感失業率は24.0%。
 去年はなんとかこの数字を一桁台に抑えこんできたのですが、年明けから二桁に上昇してじわじわと止まらない状況。
 11.6%という数字はまだ若者の失業が社会不安要因となって久しいフランス(22.3%)やイタリア(2017年はまだ不明だけども30%台前半)に比べればマシですが、アメリカ(9.2%)すら引き離しにかかっている状況。
 ILOが規定している15-24歳の失業率ではさらに伸びることでしょう。15%前後かなぁ……。
 世界的に見ても失業率、若年層失業率共に改善しているのに韓国だけは逆走している。しかも、その状況でベビーブーマーの孫が新卒の年代になって、これからの数年間は10万人単位で増えるっていう。
 韓国社会が就職浪人に寛大なこともあって、実際の数字は「体感失業率」のほうに近いのではないかと思われます。

 弱者を締めつけるような経済政策をしているにも関わらず、そして実際の失業者は増え続けているにも関わらず、ムン・ジェインの支持率はいまだに70%を越えています。
 これはおそらくムン・ジェインこそが最後の希望であって、ムン・ジェインでダメだったら本当に終わりということを認識しているのでしょうね。
 まあ、その希望はパンドラの箱から出てきた「盲目の希望」なのですが。

リーマンショック後の日本はこうだった、というお話。
大失業時代 (祥伝社新書)
門倉貴史
祥伝社
2009/4/5