北朝鮮メディア「人権に触れるな」「THAAD撤収せよ」(朝鮮日報)
 北朝鮮は3日、韓米両国に北朝鮮制裁の解除と高高度防衛ミサイル(THAAD)撤収、人権問題への言及中止などを相次いで要求した。4・27南北首脳会談の後、米国との首脳会談を前にして、本格的に請求書を突き出し始めたのだ。

 朝鮮労働党の機関紙『労働新聞』は3日、「米国の人権謀略策動は対話と平和の流れに障害を作り出す挑発騒動」だとして「果たして対話の意思を持っているのかどうか、真剣さが疑われる」と主張した。北朝鮮のインターネット宣伝メディア「わが民族同士」も、米国政府の官僚による北朝鮮圧迫発言について「われわれの誠意ある平和愛好的努力に対する愚弄であり冒涜」と主張した。自分たちが核・ミサイル実験の中断や豊渓里核実験場廃棄などの「主導的措置」を取ったにもかかわらず、米国が誠意を見せないと不満をぶちあげたのだ。

 また北朝鮮メディアは、在韓米軍のTHAADについても「もはや存在する名分も口実もない」と断じた。対外宣伝メディア「メアリ(こだま)」は「THAADを撤収すべき」と主張した。
(引用ここまで)

 韓国の論調ではまるで北朝鮮が開国して一気に「普通の国」になるかのような勢いなのですが。
 少なくとも「韓国並み」という意味で。
 ま、こういう話ははじめてでもないのです。
 金大中が巨額の献金をして南北首脳会談をしたあともこんな感じで「南北はひとつになる。閉ざされた北朝鮮が開かれて恐怖政治は終わるのだ」みたいに盛んに報じられました。
 南北鉄道が接続されるという話題が出たときに、どの路線がどうつながるかってすぐに語ることができたのは、この時点でまったく同じような構想が出てたからなのですね。
 まあ、そのまま立ち消えになったのですが。

 ついでノ・ムヒョンが南北首脳会談をしたときにも同様の期待が出て、立ち消えになっています。
 このときにも南北鉄道接続の話も出ましたが、もちろん立ち消えしています。
 とまあ、南北首脳会談の度にまったく同じような話題が出ては「やっぱダメだ」と消えていく。
 左派政権が生まれる度に南北首脳会談をやっては、同じような話が出て消えている。
 今回で3回目ですね。

 日本の一部でも「一気に統一までいくのでは」みたいな話が出ていますが、北朝鮮が現行の専制政治から脱せるわけがないのですよ。
 「核実験停止」「ミサイル実験停止」「核実験場廃棄」の3点セットで国際社会からの圧力を減じさせて、中国・韓国からの援助を引き入れようというのがいいところ。
 というわけで「おまえらの価値観である人権を北朝鮮にあてはめようとするな」とか「THAAD配備を終了しろ」と本性を出してきた、というところかな。

 ボルトンが言うところのリビア方式の非核化を本当にアメリカが求めるのか。
 そして北朝鮮がそれを受け入れるのか。
 そこまでいかないとなにも分からない。
 どう考えても米朝首脳会談が本番で、南北首脳会談は露払いにしか過ぎませんね。
 にも関わらず韓国が盛り上がりすぎなんですけどね……。

金正恩―恐怖と不条理の統治構造―(新潮新書)
朴斗鎮
新潮社
2018/3/16