韓日中首脳会談の特別声明に「CVID入らず」=韓国大統領府(聯合ニュース)
圧力の日本、対話の韓中…韓日中首脳会談で隔たりも(中央日報)
韓国青瓦台(大統領府)は7日、東京で9日に開催される韓日中首脳会談で3カ国共同宣言とは別に採択する方向で推進している特別声明について、「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)との表現は入らないと重ねて伝えた。

 青瓦台の高官は聯合ニュースの取材に「特別声明には(先の南北首脳会談の)『板門店宣言』を支持するという内容のみを盛り込むのがわれわれの立場だ」と述べた。韓国はこうした内容の草案を中国と日本に回している。ただ、日本政府は特別声明でCVIDに触れることを望んでいるとされる。

 青瓦台の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は3日、「共同宣言とは別に推進する特別声明に、CVIDや対北制裁などに関する内容が入る理由はない」と伝えていた。

 青瓦台のこうした姿勢は、北朝鮮と米国が扱うべき非核化問題に第三国が口出しするのは両者の交渉に役立たないとの判断によるものとみられる。
(引用ここまで)
6日の東京新聞は複数の日本政府関係者の言葉を引用し、「日中韓3カ国共同宣言で『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)』を共通目標と位置付け、実現を目指す方針を明記」と報じた。また「北朝鮮に対して『圧力を維持し、非核化へ具体的行動を要求する』との趣旨の文言を盛り込む方針」とも伝えた。 (中略)

非核化方式をめぐっても日本と中国の摩擦が続いている。安倍晋三首相と習近平国家主席の4日の電話会談で、両首脳は北朝鮮の非核化を目指すという点については意見が一致した。しかし安倍首相は「検証可能で不可逆的な方法で非核化(CVID)を実現するまで圧力を維持すべき」と主張したが、習主席は冷淡だった。習主席は「非核化と韓半島(朝鮮半島)の平和体制構築を同時に進めるべき」という立場を守った。

大筋では両首脳が合意したように見えるが、履行方法の第一歩から異なる姿だ。朝日新聞は6日、「中国では日本が圧力ばかり訴えるなら議論に加える必要はないという意見まで出ている」と伝えた。
(引用ここまで)

 水曜日に日中韓首脳会談が東京で行われます。
 中国代表としてくるのは習近平ではなく李克強ですけどね。
 で、共同声明として北朝鮮の非核化について韓国大統領府は「完全で検証可能かつ不可逆な非核化」という文言を入れるかどうかで紛糾中。
 韓国としては入れたくない。
 その理由として「板門店宣言」で「朝鮮半島の完全な非核化」に言及しているからだということなのですが。
 まあ、実際にはより北朝鮮の言い分を聞き入れやすい下地を形成しておこうという目論見でしょうね。
 ここで韓国が加わっている首脳会談で、板門店宣言よりも強い声明を出すわけにはいかないということでしょう。

 中国はそもそも「北朝鮮は主要議題ではない」とまで外務次官が述べています。

日中韓首脳会談、「北朝鮮は主要な議題でない」=中国外務次官(ロイター)

 中国もできることなら段階的な制裁解除を狙いたいというのは本音でしょう。
 対北、対朝鮮半島で影響力を残すためにもそうしたいというのが実際。

 それらの事情に対して日本としては「検証可能で完全かつ不可逆な非核化」を譲るわけにはいかない。拉致問題もあって、強硬策を執らざるを得ない。
 三者三様の狙いがあって、意向はバラバラ。みんな違ってみんないい。
 「日本が孤立化している」とよく言われますが、関連国がまったく別個の方向を向いているのですから、孤立化しているわけでもないのです。
 あえていうなら日本とアメリカの方向性は近いものになってはいますが。

 そもそも、北朝鮮の非核化について「完全かつ検証可能で不可逆」という概念はオバマ政権時代の米韓首脳会談で明言されている米韓共通の方針のはずです。
 2015年10月の訪米時ですね。
韓米首脳が初の北朝鮮共同声明 核問題進展へ期待(聯合ニュース)

 政権が変わったからってこういった基本方針を反故にできるはずがないのですが……。
 まあ、韓国ですから。

 ムン・ジェイン政権の方向性が北朝鮮の要求丸呑みの融和政策以外なにもしないということが南北首脳会談からこっち見えてきています。……というか、政権誕生以前からそうなるだろうということは分かっていたのですけどね。
 今回の日中韓首脳会談であえて共同声明を出さないという選択肢もありでしょう。あるいは北朝鮮についてはなにも言わないというやりかたもありかな。
 なにもこの三ヵ国が一枚岩であることを見せる必要なんかないわけですから。

 さて、どんな声明が出ますかね。

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平岩 俊司
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2017/11/30