【コラム】サムスンは耐え抜くことができるだろうか(中央日報)
今、サムスングループは韓国で「公共の敵」さながらに集団バッシングに遭っている。その理由はおよそ10個を越える。朴槿恵(パク・クネ)・崔順実(チェ・スンシル)国政壟断特別検察官チームは、サムスンが李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長への経営権継承のためにわいろを提供したとして起訴した。裁判所は2審でこの容疑を無罪と判断した。無労組経営も口実になっている。検察はサムスン電子サービスが労組破壊活動をしたとして捜査を行ってきた。裁判所は争いの余地があるとして検察の拘束令状請求を棄却した。

韓国経済を支える柱である半導体工程が労災を引き起こしたという理由で、半導体生産工程を公開するよう求める圧迫も激しい。市民団体と雇用労働部は次々と攻勢をかけている。公正取引委員会の圧迫も限りがない。サムスングループのトップを李副会長と見て、循環出資解消を催促している。経営透明性を高めるよう促すものだが、急激な支配構造改編は企業経営を難しくする。これは投資の萎縮につながる。

サムスン生命が保有しているサムスン電子の持株処分の圧迫は法的根拠もなく続いている。保険業法上、取得原価で計算することになっている系列会社の株式を、突然、時価に変えて処分するよう命じられたためサムスン生命は当惑している。サムスン生命は「できない」ではなく「不可能」という立場だ。時価20兆ウォン(約2兆円)を越える大規模株式を売却すれば、経営に支障が出ることはもちろん、市場衝撃も大きいということだ。この問題を提起してきた金起式(キム・ギシク)前金融監督院長が半月で退くと、今回は崔鍾球(チェ・ジョング)金融委員長が圧迫バトンを受け継いだ。

サムソンバイロジクス(サムバ)問題は参与連帯の提起で政府が既存の立場まで豹変させている。金融監督院はサムバに対する監理を完了し、今月1日に措置事前通知書を会社と監査人に電子メールで通知した。サムバがサムソンバイオエピスを従属会社から関係会社に変更して、3000億ウォンだった持株価値が一気に4兆8000億ウォンに増えたことを会計詐欺だとしながらだ。国内3大会計法人の検討と公認会計士会の監理を経て、当時の金融監督院も承認した結果を翻意したのだ。

サムスン合併(サムスン物産と第一毛織)は「積弊」という烙印を押された。国民年金が合併に賛成したのは、当時朴槿恵政府の圧力のためというものだ。これは投機資本の攻撃を自らまねいている。2015年に合併を反対したエリオットは先月13日、「サムスン合併で損害を受けた」として法務部に投資家・国家間訴訟(ISD)の意向書を提出した。 (中略)

サムスン電子は売上の87%を海外であげている。生まれは韓国だが、今やグローバル企業だ。このような構造で全方向からの揺さぶりが続けば、海外進出が加速するほかない。サムスンは慶尚北道亀尾(キョンサンブクド・クミ)の携帯電話工場を2008年ベトナムに移した。それだけ韓国は雇用を失った。サムスンを殴るばかりではなく、企業の価値と役割もあわせて見なければならないのはこのためだ。サムスンも経営透明性を高め、雇用創出を通じて韓国内で共生していく努力をさらに強化しなければならない。それでこそ無差別的な嫉視と反感に耐え抜き、最優良企業として飛躍することができるはずだ。
(引用ここまで・太字引用者)

 順調にムン・ジェイン政権がサムスングループを殺しにかかってますね。
 そもそも、長年「サムスンハンター」と呼ばれていた人物を公取委員長として任命した時点で、こういった状況になるのであろうとは予想がついてはいましたが。
 2年前にサムスン物産株を売却したときに公取委にお伺いを立てて「このようにすれば大丈夫」というお墨付きをもらって行った取引を「やっぱり循環投資が継続している状況だ」って言い出して、さらに株式売却をしなければならなくなった、なんてことがありました。
 あれは完全に公取委員長が「財閥絶対殺すマン」であるからこそできたことでしょうね。

 記事中にある半導体工場のノウハウを公表するとした件はとりあえず差し止め命令が通っているので一時停止状況になっているのですが。
 これ、さらにサムスンディスプレイにも同じ命令を出していて、同じように差し止め請求で一時停止になっているという状況です。
 本当に殺しにかかっているのですよ。

 イ・ミョンバクが逮捕された件でもサムスン電子が関わっているとされていますし、実質的な支配者であるイ・ジェヨンサムスン電子副会長は1審では「証拠はないがこれは心証として賄賂なので有罪」という未開な判決を受けていました。
 さすがに2審では執行猶予判決になりましたけどね。

 つい最近も韓国国内で半導体工場を建設しましたが、何度か書いているように半導体工場は本当に人を必要としないもので電気代を優先しているところがあります。
 多少は高くなったものの現状の韓国における産業用電気は格安と言ってもいいレベル……というか、政府が実質的に援助を行っていると見做されてもおかしくないレベルの安さ。
 サムスンを叩くならこのあたりも高くするのではないかと思ったのですが、そうすると他の産業も苦しむことになるからやらないのかもしれません。

 しかし、「サムスン系列」とすら言われていた中央日報が太字部分の「だけどサムスン側も悪いのですよ」みたいなことを書くようになるとは……。
 この政権は本気で財閥を潰しにかかっている、ということがこのあたりからも透けて見えてきていますね。

サムスン・クライシス 内部から見た武器と弱点 (文春e-book)
文藝春秋
2015/1/25