米国系ファンド、韓国政府に被害補償金6億7000万ドルを請求(中央日報)
サムスン・現代自動車の支配構造改編過程で問題を提起した米国系ファンド「エリオット・マネジメント」と韓国政府間の法律攻防が本格化した。

11日、企画財政部・法務部など韓国政府は、「米国私募ファンドのエリオットが先月13日、韓米自由貿易協定(FTA)に基づき、投資家・国家間訴訟(ISD)の仲裁意向書(Notice of Intent)を大韓民国政府に届け出た」と公式発表した。法務部はこの日からホームページに仲裁意向書の英文原文をすべて公開した。韓米FTA協定文に「仲裁意向届出時、最大限速かに大衆が利用できるようにする」という文面があるためだ。

ISD仲裁意向書によると、エリオットは被害補償請求金額として6億7000万ドル(約732億円)を指摘している。被請求人にも「大韓民国大統領 文在寅(ムン・ジェイン)」と法務部が明記されている。具体的には「エリオットがサムスン物産合併過程で、株主権利を行使する過程で、国民年金・保健福祉部・朴槿恵(パク・クネ)前大統領らが韓米FTA協定文に含まれた内国人同一待遇(11.3兆)と最低待遇基準(11.5兆)条項に違反した」と記されている。 (中略)

検察と朴英洙(パク・ヨンス)特別検察官チームが朴前大統領、文亨杓(ムン・ヒョンピョ)前保健福祉部長官らを相次いで職権乱用容疑で起訴した事実も仲裁意向書に含まれた。国際紛争分野で十数年間活動しているある弁護士は「エリオットは検察起訴と裁判所の有罪判決をISD請求に対する客観的証拠として提出した」と説明した。韓米FTAによると、ISD訴訟を請求するためには、必ず被請求人を相手に客観的証拠を提出しなければならない。
(引用ここまで)

 ああ、そりゃまそうなるでしょうね。
 第一毛織とサムスン物産の合併について、ムン・ジェイン政権は「パク・クネとチェ・スンシルが介入した違法なもので、積弊の典型だ」としているのですよ。
 当時からエリオット社はサムスン物産の大株主で「この(サムスン物産にとって不利な)合併比率は間違っている」という主張をしていたのですが、エリオットを上回る国民年金が賛成に回ったことで合併は成立しました。
 ちなみに、その後にエリオットは開示義務違反を指摘されて制裁を受けてます

 長年にわたって指摘されてきたサムスングループの循環投資構造をほぐすために必要だった合併になるので、サムスン電子副会長のイ・ジェヨンにとってはどうしても成立させなければならないものだったと。
 でも、公平な目で見ると合併比率はサムスン物産側にとって割の合わないものとなっていたわけですね。これでは合併はままならない。だけども、最大株主である国民年金が動けば別。
 そこでサムスングループの情報網に引っかかった「チェ・スンシルがパク・クネに対して助言をしている」という情報に従って国民年金を動かしてくれとチェ・スンシルに依頼した、というのが事件としての構造のようです。
 ちなみに国民年金は合併によって数千億円規模の損失が生じているともされています。

 つまり、株主利益を損なうような合併が行われているというわけですね。
 さらに現在の政権はそれを認めている。
 で、あればエリオット社は損害賠償を受ける権利があるのではないか、というのが今回の主張なのですよ。

 韓国政府にとっては二律背反ですね。
 「合併は積弊だ」とするのであれば、エリオット社の言い分も是となる。
 エリオット社の言い分をはねのけるために「合併は合法である」とするのであれば、積弊とはなんだったのかということになる。
 ついでにサムスンSDIに対して「サムスン物産株を売却せよ」と法的根拠もなしに去年の12月に言い出して、実際に売却させたのはなんだったんだということにもなりますね。

 韓国政府は受けて立つ、という方針なのだそうです。

ブーメラン・ストリート
西城秀樹
Sony Music Direct(Japan)Inc.
2017/11/15