撤去された対北朝鮮拡声器、北朝鮮まで音が届かない「不良品」だった(中央日報)
ソウル中央地検防衛事業捜査部は13日、ブローカーを動員して166億ウォン規模の対北朝鮮拡声器事業を落札した音響機器製造業者インターエムの代表と業者側に便宜を提供した元国軍心理戦団長(大佐)、ブローカー2人の4人を偽計公務執行妨害、職権乱用、斡旋収賄などの容疑で逮捕、起訴したと明らかにした。不正にかかわった軍と業者関係者ら16人は在宅で起訴された。

対北朝鮮拡声器事業は2015年8月の北朝鮮による非武装地帯(DMZ)での木箱地雷挑発後に対北朝鮮心理戦を強化するために推進された。事業者に選ばれたインターエムは2016年末に拡声器40台(固定型24台、機動型16台)を供給したが、性能が落ちるという指摘とともに入札不正疑惑が絶えず提起されていた。

検察が2月に監査院の要請により捜査に着手してから3カ月にわたり捜査を進めた結果、インターエムの拡声器は軍が要求する「可聴距離10キロメートル」に満たない「不良品」であることが明らかになった。軍は導入過程で拡声器の可聴距離を昼間・夜間・明け方の3回評価したが、性能は半分水準にとどまったことがわかった。これを受け業者はブローカーを動員してロビー活動を行い、軍は元心理戦団長らの指示により騒音の小さい夜間や明け方のうち一度だけ評価を通過すれば合格するようインターエムのために基準を低くしていたことがわかった。

事業に入札した8社のうちインターエムが単独で1次評価を通過する過程でも輸入部品を国産と偽るなどの違法があったものと検察は把握した。インターエムは軍で作る提案要請書評価表にもブローカーを動員して自分たちに有利な事項を評価項目に反映したりもしていた。検察は「質問用紙と解答用紙をすべて業者が作成したのと同じだ」と話した。
(引用ここまで)

 毎度おなじみと言うべきか。
 お笑い韓国軍、いつものオチ。

 非武装地帯に設置して、韓国側の主張を北朝鮮に聞かせるというスピーカーが設置されていたのです。
 これ、伝統といってもいいくらいに延々とやってきたことでした。
 ただし、太陽政策でノ・ムヒョン政権時代の2004年に南北合意で中止が決定し、撤去されていました。

 再開されたのは2015年に北朝鮮がDMZに地雷を設置し、韓国兵が負傷したという事件があってから。
 報復として「韓国はこんなに経済発展しているぞ」「北朝鮮は圧政を敷いているから国民は干上がっている」というような内容を宣伝しはじめたのです。
 ただ、さすがに中止してから10年以上経過していたのでスピーカーも新調しなければならないということになりまして。

 要求スペックは10キロメートル向こうにまで声が聞こえるということ。
 設置した当時は「夜間なら24キロ、昼でも10キロは声が届く。車載できる機動型は北朝鮮からの射撃も避けられる」と自信満々の声明が出ていたものでした。
 ただ、当初から「出力が弱いんじゃないの」という疑惑があり、その後に納入業者の汚職疑惑が報道されていました。
 スペックを調べたら3キロまでしか声は届かないものだったとのこと。
 非武装地帯であるDMZは2キロほどあるので実質的にはほぼ無意味。国境を守る北朝鮮の軍人にはどうにか聞こえていたかもしれないというていど。

 「不良品」とありますが、実際にはスペック未達のスピーカーで差額をポッケナイナイしてしまったといういつものオチ。
 「新しい福祉政策には6兆ウォンかかるけど財源はどうするの?」って聞かれて、共に民主党は「チェ・スンシル関連予算と防産不正を正せばいい」とか答えていましたが、その気分も分からないではないですね。

ルポ 絶望の韓国 (文春新書)
牧野愛博
文藝春秋
2017/5/19