【中央時評】失われた1年、残り4年も失うのか=韓国(中央日報)
上場企業の営業利益、過去最高も…サムスン電子を除けば?(中央日報)
最近、最も引っかかったのは青瓦台の雇用首席秘書官の発言だ。前年同期比で雇用が10万人しか増えなかったが、「実際、雇用は増え続けている」と主張した。今の韓国経済では30万人以上の雇用が増えてこそ正常だ。米国は毎年160万人の新規雇用を雇用指標の基準とする。青瓦台の論理なら、日本が「過去20年間、実際にマイナス成長した1998、99、2008、2009、2011を除けばわずかでも成長したので失われた5年だ」と言い張るのと変わらない。 (中略)

この1年間、所得主導成長の成績はみすぼらしい。美しかった政治スローガンは経済現場で変質して久しい。「人が先だ」は「人が怖い」に変わった。60歳の定年まで解雇できないため最初から雇用を避けているのだ。「経済民主化」は反市場・反企業・親労組の象徴になった。雇用のための最低賃金引き上げ、正規職化、勤労時間の短縮などが生産コストを急騰させ、雇用を脅かしている。

過度な市場統制は市場の逆襲を呼ぶ。最近、近所のコンビニエンスストアに見慣れない従業員が登場した。韓国語が拙い、付近の大学の中国人留学生だ。最低賃金が上がると、経営者が人件費の負担と4大保険を避けて安い留学生を不法雇用したのだ。このように価格(賃金)に人為的に触れると需要(雇用)が歪んで二重の市場が生じる。韓国の大学生のアルバイトだけが消えることになった。

過去1年間は「失われた1年」になった。このままだと残りの4年間もどうなるか分からない。さらに金利高・ウォン高・原油高の「新3高」環境が形成されている。金利が上がれば家計の負債の負担が増えて消費の余力は減る。為替レートはすでに半導体を除いて輸出採算性を合わせにくい水準であり、原油価格も1バレルあたり80ドルを上回った。経済機関は「景気低迷の入り口に入った」と口をそろえる。しかし青瓦台はあえてこうした診断に背を向ける。そうしてこそ所得主導成長の実験を継続できるからだ。青瓦台内部では競争力強化や労働改革の言葉も言い出せない雰囲気という。

しかし半導体スーパー好況のしん気楼が消えれば、遠からず韓国経済の素顔が表れるだろう。このままだと経済危機や大量失業の災難を迎えるかもしれない。経済実験に耐えられる体力も枯渇している。これ以上の失われた経済にならないためには表現から取り戻さなければいけない。今日の韓国を築いた市場、効率、自由競争、国際競争力などの言葉だ。
(引用ここまで)
上場企業の実績は4年連続で毎年過去最高を更新している。実質的な財務状態と経営成果を表すと評価される「連結財務諸表」が義務づけられた2011年以降の実績をみると、今年1−3月期の売上高、営業利益、純利益が最も多い。営業利益は2015年同期(28兆ウォン)から4年連続で増加している。 (中略)

サムスン電子は今年1−3月期の営業利益が15兆6422億ウォンと、前年同期比で58.03%増えた。

逆に言うと、サムスン電子を除いた上場企業の実績は期待に及ばなかったという分析が出てくる。サムスン電子を除いた1−3月期の上場企業の売上高は403兆3303億ウォンと、前年同期比2.89%増にとどまった。営業利益(27兆1604億ウォン)と純利益(21兆1452億ウォン)はむしろ6.43%減、13.01%減となった。
(引用ここまで)

 今年も半導体のスーパーサイクルは絶賛継続中。
 中国でやたらめったら建造されているDRAM工場がいつ製品を出せるのかはちょっと見えていないのですが、まだアナウンスがないところを見ると遅れているのでしょう。
 当初は2018年中にも量産をはじめたいという話だったのでしたが。
 であればDRAMはNANDと違ってプレイヤーが少なめなのでサムスン電子の好調さは継続するとみてよいでしょうね。

 第1四半期においてサムスン電子1社の純利益は、上場企業の37%を占めるそうです。
 で、かつ売上高で上位20位までの韓国上場企業の2-19位までの純利益をすべて足してもサムスン電子の純利益に届かないという状況なのだそうですよ。
 完全に一強多弱状態。
 というか、半導体のスーパーサイクルのせいで完全に全体の経済状況を見誤るレベルです。
 それなのにこの政権は肝心のサムスン電子は徹底的に叩こうとしているのですよね……。

 何度か書いているように世界経済は好況期に入っています。
 にもかかわらず、外需依存の高い構造となっている韓国経済がそれに追随できていない。
 世界的に見ても失業率は低下しているのに韓国でだけは上昇し、雇用増加数は先細り40-50代のアルバイト収入は20%減っていたというのは怖ろしい数字ですよ。
 一見すると国家単位での経済成長はしているように見えるのですが、実際にはサムスン電子(とSKハイニックス)だけがその好況を享受している状況。完全に錯覚、錯視ですね。

勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語
ガイ・スピア
パンローリング株式会社
2015/11/11