米、副大統領罵倒で米朝首脳会談の中止決断=先遣隊待ちぼうけ、募る不信(時事通信)
史上初となる米朝首脳会談の中止をトランプ米大統領に決断させたのは、北朝鮮の崔善姫外務次官がペンス副大統領を「愚か者」と罵倒したからだとされる。トランプ氏はその談話発表からわずか十数時間後の24日朝、会談中止に踏み切った。だが、トランプ氏はこの1週間ほどの間、徐々に北朝鮮に対する不信感を募らせていたと米政府高官は内情を明かした。(中略)

 会談が中止に至る経緯について、政府高官は「数々の約束が破られた」と語る。ポンペオ国務長官は2度目の訪朝をした際、会談場所となるシンガポールにそれぞれ先遣隊を派遣し、運営面での準備を共に進めることで合意していた。米国は先週、先遣隊を派遣したが、北朝鮮側は結局姿を現さず、「ただ待ちぼうけを食らった」(高官)。

 また、北朝鮮は北東部・豊渓里の核実験場廃棄に際し、米国と韓国に検証のための専門家受け入れを約束していた。これも結局ほごにされ、報道陣のみが招かれた。
 米政府が不信感を募らせた理由はこれだけではない。北朝鮮が「ほほ笑み外交」から一転、米国批判を展開し始めたこの1週間、米側は幾度となく連絡を取ろうと努めたが、北朝鮮側は一切応答しなかった。「昨晩ようやく連絡が取れたと思えば、『会談場で会うか、核対核の対決で会うか』という脅迫だった」と高官は怒りをにじませた。
(引用ここまで)

 唐突なように見えたトランプ大統領の米朝首脳会談中止宣言は、それなりの理由があったという話。
 北朝鮮側がまた揺さぶりをかけてきたのですね。

・シンガポールの首脳会談を行う場所で実務者会議をすっぽかし。
・核実験場廃棄の専門家受け入れを反故。
・最後に「会談場であうのか、核対核の最終決戦で対決するのか」と宣言。

 まあ、中止を宣言されてもしかたがないかな、これは。
 これらの事情が出てきて輪郭がくっきりと浮かび上がってきた感じです。

 北朝鮮は過去の成功体験に基づいて、瀬戸際外交をやり続けようと思っていた。
 とにかくアメリカと会談をしてしまえば段階的非核化に持ち込めて、かつその約束を反故にすることで利益だけをかっさらうつもりだったのでしょう。
 失敗しても貴重な時間稼ぎは可能と考えていた。

 いつものパターンではありますが。
 六者会談なんかでもずーっと同じことをやってきていましたね。
 これがオバマ政権であれば、あるいは民主党政権であれば北朝鮮のこういった揺さぶりに対して動揺していたのでしょう。
 またぞろカーターあたりが出ててきて、特使外交を繰り広げて「説得」をしようとしていたかもしれません。
 ところがトランプ政権はかつてのアメリカとは異なり、強硬策を展開してきたわけです。
 「会談やめるぞ、そうなったらアメリカのせいだからな!」と叫び続けていたら「OK、それじゃ今回はやめよう」って言われてしまう。
 まあ、トランプがいうところの「deal」を北朝鮮が繰り広げようとしたら、そこはトランプの舞台だったということです。

 オバマ対キム・ジョンウンであれば大いに勝ち目はあったのですが、叩き上げのビジネスマンであるトランプ相手では無理っぽい感じです。
 現在の大統領がトランプであるということが不運だったというべきか。
 巡り合わせというものは奇妙なものだなぁ……と感じる今日この頃です。

これは買う。
メディアは死んでいた 検証 北朝鮮拉致報道
阿部雅美
産経新聞出版
2018/5/28