文大統領は何を根拠に「低所得層の所得が増加」を主張したのか(朝鮮日報)
【社説】最低賃金引き上げを肯定、文大統領の驚くべき認識(朝鮮日報)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は29日「1−3月期は所得下位20%の家計所得が減少し、所得の分配が悪化した。これはわれわれにとって非常につらいこと」とした上で「われわれの経済政策がうまくいっているか虚心坦懐に対話してみたい」と述べた。大統領自ら現政権における経済政策の目玉とされる「所得主導成長」の効果を改めて検討する考えを示したのだ。

 ところが文大統領はそれから2日後に開催された国家財政戦略会議で「労働市場では賃金全体が増加し、とりわけ低賃金労働者の賃金が大きく増加した」「正社員も増加し、就業者の家計所得も大きく増加した。これは最低賃金の引き上げと所得主導成長の効果だ」として全く反対の趣旨の発言を行った。

 文大統領の発言を受け、文大統領が今度は何の統計を根拠に所得主導成長の効果を強調したかが話題になっている。 (中略)

匿名を要求したある経済部処の関係者は「われわれも大統領の意中が気になっている。最低賃金の引き上げにより雇用を失った労働者は所得がなくなったはずだ。そのためもし新しい仕事を得た労働者だけを対象に『所得が増えた』と主張すれば、これは現状を見誤らせてしまうのではないか」と疑問を呈した。

 大統領府はこの日、文大統領の発言の根拠となったデータについて詳しく説明しなかった。
(引用ここまで)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は31日に開催された国家財政戦略会議で「最低賃金引き上げの前向きな効果は90%」と発言した。「所得主導成長論は失敗した」との指摘に対して文大統領は「結論を下すのは時期尚早」とした上で「(広報という面で)政府の説明が不十分と思う」と述べた。文大統領の発言は要するに「最低賃金の引き上げは成功したが、政府がその効果をしっかりと説明できていないため、マイナスの評価が下されている」という趣旨だ。これは「最低賃金引き上げのペースを調整すべき」と主張する企画財政部(省に相当、以下同じ)と経済副首相を事実上叱責(しっせき)したことになる。最低賃金引き上げによる雇用減少を巡る論争で「マイナスの影響はない」と主張した大統領府スタッフらを事実上擁護したのだ。 (中略)

 最低賃金の問題だけではない。文大統領は「マクロ指標を見れば韓国経済は全体的に好転している」と述べ、経済状況の回復に自信を示した。これに対して韓国開発研究院(KDI)は韓国経済が事実上の下降局面に入ったことを認める報告書を公表した。(中略)世界経済全体の成長率は今年3.8%、来年は3.9%と予想されているが、その中で韓国だけが逆の方向に向かっているのだ。 (中略)

 文大統領は自ら語るように反対する意見や批判は受け入れず、時には全く逆の方向に進もうとするが、自分の内閣から出る苦言についても同じように受け入れないのだろうか。文大統領は最下層労働者の所得補填(ほてん)を目的に、今後も高齢者の雇用対策や基礎年金の引き上げなどを検討しているという。また巨額の税金を注いで就労事業などの対策にばかり力を入れるということだ。これではこの政府の政策は本当に税金の投入とポピュリズムだけになってしまう。

 今や現政権による所得主導政策の実験は誰も手がつけられない一種のドグマ、宗教教義の領域に至ってしまった。経済副首相が最低賃金引き上げペースの調整に言及すると、政界出身の雇用委員会副委員長は「副首相は神の領域にいるのか」と批判した。所得主導成長と最低賃金引き上げについての批判や意見は一切許さないのだ。
(引用ここまで)

 お、ムン・ジェインが「我々の所得主導成長は90%が成功している」と発言。
 いいぞいいぞ。

 ここのところ、上下格差がさらに激しくなっているというデータや、最低賃金引き上げによって、実際には40-50代のアルバイト収入は20%下落した、あるいは失業率の上昇、雇用増加数の低下がデータとして出ています。
 このままでは韓国の労働環境はどうなってしまうのか、というような話が連日叫ばれていますね。
 ムン・ジェイン政権の経済政策は落第点だ、という成績表をメディアから突きつけられていました。

 経済副首相兼企画財政部長官からは「私見だが最低賃金の引き上げが雇用情勢を悪化させているようだ」という見解が述べられたことから、来年の最低賃金引き上げは緩やかになるか取りやめにすらなるのではないかという観測も流れていました。
 しかし、ムン・ジェイン大統領はそんな世間の話などを吹っ飛ばすことができるのですよ。
 「最低賃金引き上げの前向きな効果は90%」「広報が足りていないだけ」ですって。
 朝鮮日報の記事にはありませんが「所得主導の成長と最低賃金引き上げの肯定的な効果を十分に自信を持って説明しなければならない」との発言もあったそうです。
 政策会議の場ですから、この政策を貫き通すということなのでしょう。

 さすが大統領執務室に雇用情勢をモニターで表示している雇用大統領様は言うことが違う。
 そこにシビれる、あこがれるぅ。
 いや、自分が執政するとしたらこんな政策は死んでも採用しませんけどね。

 聖公約の実現のために税金をじゃぶじゃぷと投入しまくって、雇用情勢を破壊して下からの共産革命を狙っているのではないかと思われるほどの愚策。
 安心できますね。
 クリントン政権で労働省長官を務めていた人物が「ムン・ジェインのように才能があり、知的で、謙虚で、進歩的な人はほとんど見たことがない」って言っているとかいう話ですが。

「文大統領みたいな指導者は見たことがない」米国の元長官が残した言葉(ハンギョレ)

 まあたしかにこんな指導者は見たことがないということには同意できますわ。
 そんな指導者に率いられている国民はさぞかし幸福なのでしょうね(笑)。

バカ論(新潮新書)
ビートたけし
新潮社
2017/10/14