【コラム】最低賃金引き上げで信頼を失った韓国政府(朝鮮日報)
 取材をしていると目の前で起こる出来事について納得できるだけの理由が見当たらず、もやもやすることが往々にしてある。例えば昨年7月15日に労使政が今年の最低賃金を16%引き上げることで電撃合意したときもそうだった。この日は午前中まで経営側は今年の最低賃金(時給)を前年比4.2%プラスの6740ウォン(現在のレートで約690円、以下同じ)にするよう求めていた。ところがそれが午後になると12.8%増の7300ウォン(約747円)という額を突然提案し、交渉は大幅増の方向へと急展開した。人件費負担が重くなれば直ちに経営が圧迫される中小企業団体もこれに同意したという。これは誰が考えても納得がいかないものだった。 (中略)

 労使政の合意に深く関与したある関係者が先日記者に当時の事情について話してくれた。経営側はあの時、政府から「最低賃金の大幅増に合意すれば、最低賃金計算の際にボーナスや福利厚生費などを幅広く含める法案を国会で成立させ、また地域や年齢ごとに最低賃金を柔軟に適用することも考慮する」という話を確かに聞き、その言葉を信じたというのだ。つまり経営側は最低賃金が上がっても、いわゆる「合理的例外」を認めるという約束があったからこそ最低賃金の大幅増を受け入れたのだ。

 しかし政府はこの約束を守らなかった。最低賃金は大幅に上昇したが、その計算方法は一切見直されず、地域や年齢によって柔軟に対応するという約束など議論もされなかった。

 上記の関係者は「協議の際にはこちらにも配慮するかのように言っておきながら、交渉が終わると違うことを言いだす。これでは対応のしようがない」と嘆いた。

 国会は先月末、ボーナスと福利厚生費の一部を最低賃金に含める法改正案を成立させた。昨年、政府がした約束が一部ではあるが今になって守られたわけだ。しかしこれに労働者団体が反発するのは当然だとしても、経営側も不満げな様子だ。ある経営者団体の関係者は「(成立した法律では)ボーナスが多い大企業しか恩恵がない」と吐き捨てた。中小企業団体が不満を隠さなかったのもある意味当然だった。

 実はこれよりもっと深刻な問題がある。それは政府が信頼を失ったことだ。経営側は労働団体のように大騒ぎはしないが、来年も最低賃金がどこまで上昇するのか今から心配ばかりしている。彼らは「政府が何を言ってきてもそれをたやすく信じてはならない」という教訓も得た。信頼を失ってしまった政府が今後もリーダーシップを発揮できるか気になるところだ。
(引用ここまで)

 韓国政府は「地域、年齢によって最低賃金に差をつける例外規定をつける」と約束したので、経営者側も最低賃金の大幅上昇に賛成した。
 しかし、その約束は守られることなく一律での最低賃金上昇だけを行った。

 どこかで聞いたことのある話だな……と思いましたが。
 河野談話が出るまでの経緯にそっくりですね。
 当時、韓国が「談話さえ出してくれればこれで最後にする。従軍慰安婦問題は日韓関係から取り除かれる」と密約したからこそ、河野談話は出されたのですよ。
 その後の経緯はご存じの通り。
 「河野談話こそが日本が悪事を認めた証拠だ」というようにされてしまった。
 残ったのは河野談話だけで、密約などないも同然。

 野球のオリンピック予選で紳士協定を無視してメンバー表を見てから先発ラインアップを変更したこともその一環として挙げられるでしょう。
 北朝鮮でしたが、柔道で「柔道着は左前に着ない」という暗黙のルールを破って、田村亮子を破ったなんてこともありました(その後、ルールとして明文化)。

 韓国とは閉じられた場所での約束、密約をしてはいけない、ということがよく分かります。
 ルールを明示し、それを徹底的に守らせなければならないのですよ。
 たとえば慰安婦合意をこうした形で密約のようにして交わしたのであれば、完全に無視されていたことでしょう。
 書面にはしなかったものの、両国の外務大臣、外交部長官が揃って記者会見をしたからこそ公の約束として韓国側も無視することができずに、日本側は「合意を遵守せよ」と使うことができているわけです。

 韓国とは密約を結んではいけない。鉄則です。