米朝共同声明はスカスカ、あえて詳細決めない戦略か 上智大・前嶋和弘教授(産経新聞)
 非核化、体制保証、拉致問題の観点から今回の米朝首脳による共同声明をみると、中身がすかすかだ。会談後のトランプ米大統領の記者会見を聞いても曖昧な点が多い。1992年の非核化をめぐる南北共同宣言や2005年の6カ国協議の共同声明と比べても明らかに内容が弱い。

 ただ、最近まで戦争が始まってもおかしくないほどの緊張状態にあった米朝関係を考えると、両首脳が会談したこと自体が信頼醸成の場として意味があった。詳細を決めると物事が進まないので、大枠だけを作り詳細はあえて決めない戦略がトランプ流だったのではないか。しかし、会談が一度きりで終わってしまっては評価は低くなる。「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)のうち共同声明で抜け落ちた、「検証可能で(V)不可逆的な(I)」非核化を実現するには、複数回にわたり高官級協議などを続けることが重要だ。
(引用ここまで)

 楽韓Webが主張している話と同じ視点の見方もこうしてありますよ、というご紹介。
 あそこまで米朝首脳会談の共同声明の中身がすかすかであった以上、首脳会談をやったという形だけが大事にされたということであり、非核化の中身についてはこれからの交渉で行われるということなのでしょう。
 追加協議についてはポンペオ国務長官がボルトン補佐官らを伴って行われるとトランプ大統領も言明しています。
 当日のシンガポールでの記者会見の様子はこんな感じでした。
Press Conference by President Trump(WHITE HOUSE)
Q I just wanted to find out. You described this as a process. What is the immediate next step? Is there some ongoing dialogue —

THE PRESIDENT: Yes. We’re getting together next week to go into the details.

Q And that’s (inaudible)?

THE PRESIDENT: Secretary Pompeo. Yeah. Next week, with John Bolton and our entire team, to go over the details and to get this stuff done. We want to get it done; he wants to get it done. We’re also working very much with South Korea. We’re working with Japan. We’re working with China, to a lesser extent, but we’re working with China.

Q ひとつ明確にしておきたいのですが。「これはプロセスである」と言われました。では、次の段階はどのようなものになるのでしょうか。なんらかの話し合いが継続されると ──
大統領:そうだ。我々は詳細を話し合うために来週から集まるだろう。

Q それは(聞き取れず。訳注「誰が行うのか、という感じ」)
大統領:ポンペオ国務長官だ。そう、来週にでもボルトン補佐官や我々のチームは詳細を話し合う。我々はことを為したいし、彼もそうだ。韓国と共に動き、日本とも動き、中国とも動く。より小さなものとはなるだろうが、中国と共に動くのは間違いない。
(引用ここまで)

 とまあ、後続の交渉についてはポンペオ長官やボルトン補佐官を中心にしたチームが当たると明言しています。
 来週、つまり月曜日以降の交渉がどのようなものになるか。
 ポンペオ長官は「共同声明に『検証可能』も『不可逆』も込められている」と言っていましたが、果たしてその解釈を北朝鮮に押しつけることは可能なのか。
 反対された場合にはどうなるのか。同じ記者会見で「制裁は非核化が完了するまで継続する」と述べていましたし。
 延長戦……というよりはむしろこれからが試合本番ですかね。

 ちなみに中国やロシアが独自に対北朝鮮の経済制裁解除に動こうとしたら、アメリカの施しているセカンダリーボイコットにがっつりハマって大騒ぎになるでしょう。
 それはそれでちょっと見てみたい風景ではありますけども。