韓経:中小企業「いっそのこと韓国離れたい」(中央日報)
海外生産設備を拡大する中小・中堅企業が目に見えて増えている。急激な最低賃金引き上げに労働時間短縮が重なり人件費負担が天井知らずに増え続けているためだ。

忠清南道牙山(チュンチョンナムド・アサン)にあるケーブルメーカーのファイル電子は、牙山工場の生産設備を減らして中国山東省地域の設備投資を増やすことを検討している。この会社の従業員数は300人未満で、7月から施行される週68時間から52時間の労働時間短縮対象ではない。従業員300人未満の中小企業は労働時間短縮を2021年7月まで段階的に適用できるためだ。ファイル電子がいまから海外投資を悩む理由は労働時間短縮制度に事前に備えるためだ。この会社は週52時間制度が施行されれば現在12時間夜昼交代勤務体制を8時間3交代などに変えなければならない。このため最小30%の人材を追加雇用しなければならない。ファイル電子のユン・チャンヒョク社長は「周辺の中小企業の最高経営責任者(CEO)はほとんどが今後3年間着実に準備して海外に出て行くことを考えている。損失を出して工場を運営することはできないではないか」と問い返した。

業界では「技術力を持つ中小・中堅企業が優先的に海外に出て行く準備をしている」という話も出ている。自動車用金型などを製造するA社は現代・起亜自動車だけでなくドイツのBMWやフォルクスワーゲンなど海外の自動車メーカーに納品する中堅企業だ。この会社は今年最低賃金が引き上げられ労働時間が短縮されれば100億ウォン台の営業利益が半分になると懸念する。同社の副社長は「中国の労働者の賃金は韓国の5分の1、ベトナムは100分の7水準にすぎないが1人当たり生産性はむしろ韓国より高い。労働時間短縮を契機に韓国工場の半分ほどを海外に移す案を深く検討している」と打ち明けた。
(引用ここまで)

 工場が国外に出ていく、ということは本当にしんどいことで。
 単純に雇用が奪われるというだけの話ではないのですよ。
 為替や生産性を原因として新規工場建設が国外で行われてしまうと、どんなに短くても数年間はその工場に対しての投資が優先されることになります。
 ほとんどの場合で最新の設備を持ち、新規ラインを入れるとしても最新工場のほうが敷地に余裕があるのですから当然ですね。
 長いと十数年のスパンでそうやって優先度の高い工場が国外にできてしまうというわけです。
 ……というようなことを前にも楽韓Webで書いたような気がするのだけども。
 まあ、間違っていることを言っているわけでもないからいいか。

 政権が変わるなり、政策を転換するなりしたところで、すでに出ていってしまった工場が戻ってくるわけでもない。
 麻生財務大臣が就任当初から「民主党のやったことは1年や2年では取り返せない」と言っていたのも経営者目線でのことでしょう。
 ここ1〜2年くらいですかね。日本企業の国内回帰が言われるようになったのは。

 特に労働者視線ではゼロサムゲームどころではない。
 奪われっぱなし。
 労働者が儲かれば周辺の食堂やらなんやらも儲かっていく。富が循環するわけですよ。その循環の大元が絶たれてしまうというわけです。
 韓国の地方自治体が(自分の懐を痛めずに)アミューズメントパークの招致に汲々としているのも、このあたりの循環を必要としているというのと、それによって土地の高騰を目論んでいるからですね。

 ムン・ジェインによる最低賃金の急激な引き上げが害を及ぼすのは、単純に雇用が縮小するというだけではなくこうして工場が海外に脱出するという部分が大きいのです。
 おまけに生産性は海外のほうが高いなんていうオチまでついてれば、なんのために韓国に工場を持っているのかって話にもなりますわ。
 注文だけ韓国でとればいい、なんだったら注文ですら外国でとってもいいのですから。
 英語圏では電話でのカスタマーサポートを英語のできるインドに外注したりしてますよね。あれと同じことです。まあ、かなり聞きづらい英語ではあるのですが。

 なお、韓国における最古の企業のひとつとして知られている京紡は去年の時点でベトナムへ脱出することを決めていました。
 ムン・ジェイン政権も指をくわえてみているだけではないですよ。ちゃんと対応してます。
 「国内工場を閉鎖して海外に工場を移転することを自制してもらいたい」と要請しているのです(笑)。

 ま、なにしろ世界に冠たるムン・ジェイン保有国ですから。
 なんとかしてくれるのでしょう。ここまでひっかき回してどうにかなるのかというのはかなり疑問ですが。