経済専門家40人、韓国の経済状況と政策に助言(中央日報)
中央日報が経済専門家40人に現在の経済状況と地方選挙後の政府の経済政策運用方向に対する見方を尋ねた。彼らに最近議論になった最低賃金引き上げにともなう雇用萎縮の有無について質問した結果、「大幅に雇用を萎縮させる」と答えた専門家が16人、「幅は大きくないが雇用を萎縮させる」と答えた専門家が21人だった。40人中3人を除いた残りの専門家が「最低賃金の急激な引き上げが雇用を萎縮させる」と答えた。

中央日報がアンケート調査対象とした40人は、代表性は備えていないが主流経済学界と業界に広く布陣した専門家だ。現在の経済状況と政策に対する専門家の全般的な認識を代弁しているとみることができる。

議論になった1−3月期の貧富格差拡大と関連しても全体の半分を超える22人が「最低賃金の急激な引き上げなど所得主導成長の逆効果」を原因に挙げた。

「現政権の9つの主要経済政策のうち至急手を加えなければならない政策2つを選んでほしい」という質問でも「所得主導成長政策」が最も多い29票を得た。「革新成長・規制緩和など成長率向上政策」が19票で後に続いた。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインが実行している「所得主導成長」政策ですが、韓国で主流となっている意見というわけでもないのです。
 ただ、普通の経済政策は積弊たる前政権、前々政権がやっていたのでそれを否定するためにも同じ政策方針を執っていないという部分は大きいでしょうね。
 「パク・クネ、イ・ミョンバクは間違っていた。我々は違った方法で経済にアプローチするのだ」ということなのでしょう。
 だからこそ、明白に間違いであるという統計が出ているにも関わらず、その間違いを認められずに「前向きな効果は90%」なんてセリフが出てくるというわけなのです。

 政策の間違いそのものが問題ではなく、どのようにして政策が採用されたのかという経緯についての間違いを認めたくないというだけ。
 「私見だが最低賃金引き上げが影響を及ぼしているようだ」と発言したキム・ドンヨン経済副首相兼企画財政部長官、つまり経済部門の最高責任者が糾弾されるのもそれが原因。
 このまま行くと「私は敗北主義者です」というプラカードがキム・ドンヨンの首から下がるのもそう遠くないかもしれませんね。
 むしろ、思想的な問題であるからこそ政策を変更できないというわけか。

 というわけで、こんな風に経済学者がどれほど声を上げても政策は変わらない。
 同様にOECDも何度か「最低賃金の引き上げペースが速すぎる」と懸念を表明していますが、ムン・ジェイン政権からしてみれば「余計なお世話」というところになるのでしょう。
 これだから「主義者」はやっかいなのですよ。
 彼らの中では間違っているのは自分ではなく、現実なのですからね。

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筆坂 秀世
ワニブックス
2015/6/8