ろうそく集会当時に「戒厳令」検討か 文大統領が捜査指示(聯合ニュース)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日、市民らが朴槿恵(パク・クネ)前大統領の退陣を求めて「ろうそく集会」を行っていた当時、軍の捜査・情報機関である国軍機務司令部が「戒厳令」を検討する文書を作成したことと関連し、独立捜査団を構成して迅速かつ公正に捜査するよう宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官に指示した。青瓦台(大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官が会見で伝えた。
(引用ここまで)

 機務司令部、いわゆるキムサ。旧保安司令部ですね。
 情報院(旧KCIA)とは別に存在する、軍部の情報機関のひとつ。
 軍政時代には共産主義者と目される連中に対して拷問を繰り返していたような部署でもあります。
 左派であるムン・ジェイン政権とは当然ながら相性最悪。

 さて、その機務司令部がろうそくデモが行われている期間に戒厳令の宣布を検討していたということが確認されています。

機務司令部、「光化門に3個旅団配置」ろうそく集会への戒厳令を具体的に計画した(ハンギョレ)

 で、ムン・ジェインがそれに対して厳正に捜査せよという指示を出したという話。
 国軍が関与できない独自捜査が行われるとのことです。

 ただハンギョレの記事を見ても分かるように、機務司令部が企図していたのは「弾劾が棄却された場合にろうそくデモを行っていた連中が大統領府と憲法裁判所に乱入するであろうから、その対策として戒厳令の宣布を」というもの。
 治安維持を考えるのであれば、ごく普通の対応策ではないでしょうか。
 「軍情報機関に対して独立捜査権を持って捜査せよ」とか言うほどのものでもないような……。

 ろうそくデモが平和裏に行われていたのはそうするほうがパク・クネ政権に打撃を与えられるからという目論見があったからです。
 というような話を、楽韓Webでは当時から書いていますが。
 「市民がろうそくを掲げているだけのデモ」に対して警察力、軍事力を行使するようなことがあれば国際的な非難を避けられないという考えもあったでしょうね。
 ろうそくデモを主導していた連中(民主労総等)が本来やっているデモはこっちのほうですからね。



 まあ、この「戒厳令を企図した」ということを口実にして機務司令部解体まであるでしょう。
 朴正熙政権当時の学生運動時代に逮捕・収監の経験があるムン・ジェインの個人的な指向性としてそう感じます。
 軍への圧力としてもそうするだろうなぁ……といったところです。

情報機関を作る 国際テロから日本を守れ (文春新書)
吉野準
文藝春秋
2016/4/20