アラブ語圏難民「弾圧された」、通訳「金を稼ぎに韓国に来た」(朝鮮日報)
 ソウル高裁はこのほど、スーダン国籍のAさんが起こした難民不認定決定取消訴訟で、原告勝訴の判決を下した。法務部の難民不認定処分が間違っていたということだ。

 判決文によると、Aさんは2015年末に韓国に入国した後、難民申請をした。Aさんは難民申請書類に「スーダンで大学の不正を告発したところ、反政府系人物だと見なされて拷問を受けた」と書いて申請した。ところが、法務部が面接調査後に作成した調書に書かれていた状況は全く違っていた。調書によると、Aさんは難民申請理由を問われた際、「韓国に長期滞在して金を稼ぐため」と答えたことになっていた。これでは難民申請者が自ら難民ではないと語ったことになる。面接時のアラビア語通訳はチャンという人物が務めた。

 法務部がAさんの陳述などを根拠に「難民不認定」決定を下すと、Aさんは「面接でそんなことは言っていない」と主張、訴訟を起こした。ソウル高裁はAさんの訴えの方が面接調書よりも説得力あると判断した。その理由は通訳チャン氏の経歴にあった。

 高裁は判決文で、「チャン氏が通訳を務めた別の難民申請者の面接調書にも『私は金を稼ぐために韓国に来た』という回答内容が多かった。チャン氏が通訳した面接調書にひときわそうした記載が多いということは、通訳上、深刻な問題があるということだ」と述べた。 (中略)

チャン氏はソウル市内のある私立大学経営学部の学部生で、アラビア語を二重専攻していることが分かった。法務部の話では、チャン氏が2年間に担当した難民の面接件数は100件以上に達するという。法務部は内部調査で、同氏が通訳として関与した難民不認定決定のうち55件を職権で取り消した。このうち2件は再面接で難民として認められた。チャン氏は法務部の内部調査で、「私の通訳は間違っていない」と主張したとのことだ。
(引用ここまで)
 「韓国人の『できる』と日本人の『できない』は信頼するな」なんて話をネットで目にしたりしますが。
 まあ……典型例かなぁ。
 「専攻が経営学部で、アラビア語も取っている」というていどの学生に通訳を任せるという時点でアレですが。
 以前にもネパール人女性が「みすぼらしい格好をしていて、言葉が通じなかった」という理由で精神病院に入れられて6年放置されていたなんて事件がありました。
 それよりはなんぼマシか。

 こういうのって統計でチェックできるのですよね。難民全体の供述内容の割合と、通訳Aによって記された割合とが乖離していたらなんらかの問題がある、というように考えられる。なんらかの特異な点が存在することを浮かび上がらせるために使える手法ですね。
 ちなみにこれは大手企業でも通信チェックで行われています。メール、SNS、クラウドのアクセスで「通常の使われ方よりも乖離している」ということでチェックされるのですよ。大手企業にお勤めの方は気をつけて。
 アップルから中国企業に企業秘密を土産に転職しようとした中国人が逮捕されてましたっけね。

元アップル社員を中国に戻る直前に逮捕−企業秘密盗んだと米当局(ブルームバーグ)

 韓国ではここのところ、難民問題が急激にクローズアップされつつあります。ビザなしで入ることのできた済州島にはイエメンからの難民が500人上陸してるとのことで。
 この記事もその流れの一環でしょうね。
 「人権を重んじる」とされている左派政権であるムン・ジェインがどんな対応をするかがけっこう注目されています。
 そもそもムン・ジェイン自身の両親が朝鮮戦争で北朝鮮からの避難民というバックボーンがあったりするのですが……。

シリア難民 人類に突きつけられた21世紀最悪の難問
パトリック・キングズレー
ダイヤモンド社
2016/11/25